三四郎 翻弄される - dalichoko

前半で東京に出てきた三四郎に何人かの人物が現れるのだが、不思議なシーンがいくつかある。中でも”土手から飛び降りた若い女”があって、三四郎はそこを横切る。女という言葉がこの小説には何度も出てくるのだが、恋愛小説のようで実は女について客観的に描く物語でもある。 ここでこの物語の中心である美禰子という女性と出会う。出会う場所は広田先生の家だ。三四郎は美禰子をたまたま大学の構内で見つけたのだが、偶然にも広田先生の家で対面することになる。ここから三四郎は美禰子に翻弄されてゆく。 「私さっきからあの雲を見ていますの。ダチョウのボーア(襟巻き)に似ているでしょう。」 「雲の色が濁りました。重い事、大理石の様…

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