ブラックボックス 砂川文次 - dalichoko

第166回芥川賞受賞作『ブラックボックス』を文藝春秋で読む。著者は砂川文次氏。 極めて細やかで胸が痛くなるような表現。 主人公のサクマはメッセンジャー。自転車で運ぶシーンから始まる。雨の交差点に突っ込んでゆく主人公の近くを白いベンツが交差し転倒する。肉体的な心理状態を丁寧に描く。この表現に惹きつけられる。 著者の砂川文次さん31歳は元自衛官で公務員。受賞インタビューから天才でありながら相当な努力をされている方なのが伝わる。言葉の端々に怒りと強さがある。自衛官という「あちら側」の立場にありながら、その”むかつき”はこの国がこのドラマの主人公の本当の生活や感覚に寄り添えていないことを主張する。 メ…

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