白井 聡 「民主主義」と「道徳」の奈落──『日没』文庫化に寄せて

桐野夏生『日没』が読者を戦慄せしめる作品であるとの評は、定着済みだ。国家が「正しい芸術」の定義を下し、それに従った作品をつくるよう芸術家に強いるという現象は全体主義政治の特徴であり、『日没』は現代日本で刻々と進行しつつある全体主義化の現実を打ち抜いた

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