ミセス・ハリス、パリへ行く アンソニー・ファビアン
ははぁ、この映画は78という数字がポイントの映画だった。ユーミンの楽曲にもあった。
高齢の家政婦がパリにドレスを作りに行く、というファンタジー。
大人のシンデレラストーリー「ミセス・ハリス、パリへ行く」を解説!【町山&藤谷のアメTube】
これは間違いなく、町山智弘さんと藤谷文子さんの動画を見てから映画館に行くべきだろうね。なんと夢のあるお話か。自らがこの映画の主人公、ミセス・ハリスの年齢に近づいたからそう思えるのだろうが、それにしても素晴らしい映画だった。
MRS. HARRIS GOES TO PARIS - Official Trailer [HD] - Only In Theaters July 15
冒頭、ロンドンの家政婦として明るく懸命に働くミセス・ハリスを映す。もうそれらのシーンから魅力的。色々な家の色々な仕事、そして人。金持ちの家なのに給金の支払いがない家。この日の翌日、チャップリンの「ニューヨークの王様」を見たが、あの映画の王様もお金がなかった。人は見かけとちがうことがしばしばあるようだ。
ハリスはここで素晴らしいオートクチュールのドレスに出会い魅せられる。そしてお金を貯めて一念発起、自分のドレスを作るためにパリに向かう。
ディオールのファッションショーで見つけた美しいドレス。78番がほかの貴族に奪われるが、自分にふさわしい緑色のドレスを作ることになる。
貴族相手の仕事を仕切るディオールの秘書で支配人をイザベル・ユペールが演じる。この人の演技の幅の広さに圧倒される。家政婦にドレスなど作らせたくないという頑なな姿勢でハリスの夢を砕こうとする。
そして冒頭の78。タロットカードの枚数を指すこのナンバーは”エンジェル・ナンバー”と呼ばれ、「今まで努力してきたことが正しいと、天使が肯定する。」ナンバーらしい。そう思いと、家政婦として努力してきたハリスと、ディオールのもとで奴隷のように緊張の中で寡黙に働くお針子さんたちのベクトルが一致する。そしてこの映画が本当は、あることについて示す映画であることが明らかになる。
そのあることとは・・・?
今、たとえば日本に”夢や希望”を示すものがあるだろうか。腐敗した政治を傍観して無気力家した国民は、愚かな政治に押しつぶされてゆく。1957年を描くこの映画で、最も違和感を感じるのが、パリの街の汚れた光景だ。ゴミだらけになった街はパリに似つかわしくない。その背景にはフランスから独立しようとするアルジェリア戦争の影がちらつく。無益な戦争で国家財政を破綻させたフランスは、高失業率の中、労働者がストライキを起こしている時代だったのだ。
町山智浩さんの解説にもあるとおり、アルジェリアの女性運動家ジャミラ・ブーパシャは、あのウルトラマンのジャミラのモデルだったらしい。
そうして振り返ると、ジャミラがウルトラマンとの戦いで国連を破壊して、自ら泥だらけになって死んでゆくシーンが痛々しい。こうした時代背景から生まれたファンタジーを、今の時代にどう感じることができるか?ハリスの意思はどのように開花するのか。それはこれから見る方たちのお楽しみだ。
最後にディオールで活躍する、ある若いデザイナーと恋におちるモデル役のアルバ・バプチスタの美しさも必見。
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