#ダリチョコ の映画とグルメ

しょーもないブログです。I am stupid anytime.

時をかける少女 筒井康隆著

時をかける少女は言わずとしれた筒井康隆さんの代表作。たまたま手にした角川つばさ文庫の本はいとうのいぢさんのイラストが印象的だ。

1966年に発表されたこの作品は、大林宣彦監督の映画や、細田守監督のアニメなど幾度にもわたって映像化されている。そして時と時代を超えて、新たな解釈が加えられている。

原作はずっと昔に読んだ。読んだはずだが情けないことに細かいところは覚えていない。何より1972年にNHKで放映された「タイムトラベラー」のインパクトが強い。自分が10歳の頃だが、学校で話題になっていたのを覚えている。少年ドラマシリーズ

物語は主人公の芳山和子が土曜日の理科室でラベンダーの香りを嗅ぐところから始まる。冒頭から理科室で芳山和子のほか深町一夫と朝倉吾郎の三人で掃除をしているシーンから始まる。このドラマの画期的なところはこのシーンだ。ここに三人が存在する、というインパクトが最後のどんでん返しに強烈な驚きとなって返ってくる。

このあと物語は、和子の記憶が未来と現在を行き来する、つまりは”時をかける”という展開に、友人の吾郎の家が火事になったりトラックにぶつかりそうになったりして進んでゆく。和子の現象を聞いた一夫と吾郎は三人で福島先生に相談する。福島先生は三人の話しを真剣に聞いて、テレポーテーションとタイムリープについて説明する。このシーンがなかなかいい。ダビット・ラング蒸発事件バミューダトライアングルについて説明するのだ。

和子は自分が超能力を得た土曜日の理科室に戻り、あのとに理科室に侵入した人物に会って事件を解決しようとする。そしてその人物は・・・

「時間が前進するのと同じ速度で。僕達ふたりが時間を後退している」

このからくりは2660年の未来から来た人でないと理解が及ばない。ここで語られる600年以上先の未来は、極めて現実的だ。地球の人口が異常に増え、科学があまりにも進化しすぎて一般人が科学知識についていけなくなる。専門性が高ま学校教育に時間がかかるようになったため、卒業するころには40歳や50歳になっている。ここから人口減少が始まる。そこで睡眠学習が開発され、寝ている間に知識を吸収できるようになり、ついに10歳で大学院級のレベルに育つことができるようになった。


その人物は自分が未来に帰る前に、それぞれの記憶を消失させる。いわば「集団催眠」を解くというのだ。ここはとても興味深い。

催眠術というのは、ひとりのひとにかけるより一度におおぜいの人にかけるほうがやさしいんだよ。(略)この時代のひとは、とてもかかりやすかったよ。

これは!!
このセリフを読んで何かを連想したとしたら・・・


この青少年向けの物語の中に、筒井康隆さんはある特殊な未来を想像したのだろうか。ことの顛末はともかく、筒井さんが想像した未来と、催眠にかかりやすいこの愚かな国、戦争に引きずられていった愚かな国民、なんの疑いも持たない愚か者の国をなぞったのであろうか。ここはとても衝撃的だった。多感だった自分の子供の頃、星新一さんや小松左京さんの小説を猛読した。そしていま、あの時代、あの頃とはまた違う視点からこれらの作品を読み返す。


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