ぼくたちの哲学教室 ナーサ・ニ・キアマン/デクラン・マッグラ監督
キネノートのレビュー「ぼくたちの哲学教室」
オリジナルタイトルは”Young Plato”。「若きプラトン」、これはあくまでも偶然だが、先ごろ読み直した光瀬龍さん原作、萩尾望都さんが書いた「百億の昼と千億の夜」にも繋がるテーマと言える。あのドラマのプラトンは若くはないが、若者のように悩み逡巡する。
ロッテントマトで100%を獲得したみたいだ。すごい!
この予告編を見たとき、必ずこの映画を見ることを決めていた。絶対に見る。これはケネス・ブラナーの自伝的えいが「ベルファスト」で展開された北アイルランドのおぞましい過去を繰り返さないために努力する校長先生のお話だ。無垢な子供たちは反射的にやられたらやり返す。日常絶えない子供たちの喧嘩をひとつひとつ丁寧にそれぞれの主張に耳を傾ける。
Young Plato - Official Trailer
劇場は満席。もしかすると教職関係の方がこの部屋の大多数だったのではないかと感じさせる。極めて普遍的なドキュメンタリーだが、満席の劇場でいざこざがあったりしたようだ。なんともこの映画の教訓が生かされていない悲しい話しだ。
それにしても素晴らしい映画で、終始感動で胸が張り裂けそうだった。鉄条網越しに写される子供たち。「監獄ロック」を口ずさみながら運転するスキンヘッドの男。彼が上り下りする「イエロー・ブリック・ロード」という階段など、画面の片隅にチラリと示されるこの国と地域に顕在する現実が見えてくる。
これからご覧になる方も多いと思うので、ひとつだけここで紹介するエピソードが映画のクライマックスになっている。喧嘩する子供が「お父さんから、やられたらやり返せといつも言われている。」と反論されて悩むシーン。ケヴィン校長は果たしてどのようなアイデアをここに示すのだろうか。子供に日頃から喧嘩はよくない、対立はよくないと諭す教師たちだが、こと保護者の立場になると学校教育の範疇を超えてしまう場合がある。
どうする・・・?
日本の教育はデフレ社会とともに30年以上崩壊して破綻状態にある。定額無制限の勤務を「聖職」とくくり、身を粉にして働く教師の仕事はブラック企業のそれをはるかに超える。この映画に教師の環境を改善するヒントはひとつも示されていないが、政治が教育をケアしない限り”美しい国”は成り立つまい。
『ぼくたちの哲学教室』で、子供たちを暴力の連鎖から切り離そうとするケヴィン先生はプレスリーのオタク。
そういや同じアイルランドを舞台にしたバンド映画の傑作『ザ・コミットメンツ』の主人公の父親が、エルビスの大ファンだった。「エスビスは神だ!」という名セリフがw
#こねくと pic.twitter.com/wGoZsyHEw9— スタ・エレ (@Bt1THS9XFohvr93)
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