「大吉原展」は19日まで 東京芸大
東京芸大のアートスペースには初めて入った。大吉原展は入場料2,000円。
10時開演に遅れて11時半頃入ったのだが、何しろ大変な混雑で、見たい作品を見るのに待ち時間が相当かかる。早めに行くか、いっそのこと午後の遅い時間のほうがゆっくり鑑賞できるかもしれない。会期が残り少ないので、駆け込みでお客さんがどっと押し寄せる可能性もある。
あらためて日本の絵画の繊細さを認識する。題材が吉原であることも重要だが、その当時の風景を細やかに描き切る技法に圧倒される。あまりに繊細すぎて写真撮影はほとんど不可となっている。
この模型を見てもわかるが、花魁にも格があって、先頭に立つ方と後方に待機する方で役割が違う。ちなみに花魁道中とは、ご贔屓の旦那を迎えに行くための大イベントなのだそうだ。
個人的には「太夫」という存在が希少であったことと、蔦屋重三郎という出版元を仕切った人物、それと山東京伝という画家の存在が注目できた。細やかな作品を間近で見ることが難しいので、壁に大きく動画にして紹介する工夫もよかったと思う。
このブログでも佐伯泰英さんの「吉原裏同心」を紹介したこともあったが、いわゆる風俗という意味で借金の前借で売られてきた女性たちの仕事場ではあるものの、彼女たちの安全を守るために様々な工夫がほどこされていることにも学びがあった。