経済成長主義への訣別 ③ 資本主義はやがて崩壊する
第五章 経済成長はなぜゆきづまるのか
戦後経済は分厚い中間層に支えられて成長を続けたが、1973年のオイルショックなどで脱工業化への転換を迫られた日本はグローバル化を促進するが、これによって中間層は破壊された。そして新自由主義は格差拡大へと向かう。成長を止めたこの国は、イノベーションで労働生産性を上げようとするが、生産性を上げるだけでは経済成長はしない。グローバル化が経済成長をゆきづまらせた。
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第六章 「人間の条件」を破損する成長主義
人間は自然の一部であって、与えられたものを測定することはできない。傲慢な人間は知らないことを知っていると思い込んでいないか。無知の自覚に欠けていないだろうか。そしてこの与えられたものと対立するのが経済成長で、シュンペーターのいう「創造的破壊」で成長が促されると言った。しかしそのシュンペーター自身がのちに「資本主義はやがて崩壊する」とも言っている。それは人間らした、つまりは「人間の条件」を逸失することで資本主義は破滅するであろうことを予測していた。
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第七章 経済成長を哲学する
かつては家という制度のもとに人口が増加してきたが、アングロサクソン系の考えにより核家族化が進み、子供をもたない家が増え、人口減少に入った。ここで著者は経済成長を「親の世代の犠牲の上に子供の世代に何かを贈るもの。」と定義(哲学)する。しかし人口減少のジレンマで成長の機会が失われ、経済は自ら破壊の道へと進もうとする。
つづく・・・
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