映画評論家への逆襲 ② 若松孝二伝説


映画評論家への逆襲 (小学館新書 あ 10-1)
映画評論家への逆襲 (小学館新書 あ 10-1)
小学館


第2章 ポン・ジュノ監督 表現と時代の奇しき関係


ここでは「パラサイト 半地下の家族」で世界の賞を総なめにしたポン・ジュノ監督の初期作品「ほえる犬は噛まない 」を中心に討論が行われている。荒井晴彦さんが「パラサイト」批判として「格差社会は家族から崩壊する。あの状態で団結する家族などあり得ない。」と物申している。


井上淳一さんは「ほえる犬は噛まない」の原作が「フランダースの犬」であって、ポン・ジュノ監督の特徴は、未解決事件を解決せずに終わらせる。」としている。森達也さんは「東アジアで同調圧力で虐殺や戦争に向かう個の弱い日本に比べ、韓国は個が強い。」と総括している。



第3章 若松孝二監督の伝説と生身


ここからいよいよ若松孝二論へと突入してゆく。若松がどれだけとんでもない人物だったかを語り合う。


白石和彌監督の「止められるか俺たちを」をネタに白石さんより年長世代の方たちが、当時のことをストレートに語り合う。特に、この映画に実在の人物として登場する荒井晴彦さんは、吉積めぐみさんと親しかったこともあって、かなり詳しく言及している。白石さんがMPVを演出した曽我部恵一さんの「なんだっけ?」の映像が泣かせる。



これらは敗北の物語だ。その先頭に若松孝二がいた。言われるまでもなく、日本は戦争で敗北した国だ。その国の反体制で何を叫んでももともと勝ち目などない。しかしこれらの運動や活動に意味がなかったか?というとそうではない。原田眞人監督が「突入せよ! あさま山荘事件」という警察側から連合赤軍を見た映画に対し、テロリスト側から見た「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を若松孝二が撮ったことの意味は深い。



ちなみに内ゲバで崩壊した連合赤軍と、若松孝二の盟友足立正生が行動を伴にした重信房子率いる日本赤軍は全く違う組織であることをここに強調しておく。ここは誤解の多いところだ。


リンゴの木、桜の花 - #ダリチョコ の映画とグルメ


つづく・・・


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