ウルトラマン・ライジング シャノン・ティンドル監督
Netflixで「ウルトラマン・ライジング」というアニメが6月14日から配信されていた。監督はシャノン・ティンドル。
これまでのウルトラマンとは違う。
もちろん「シン・ウルトラマン」とも目的が異なる。
仏像評論家のみうらじゅんさんが初代ウルトラマンを弥勒菩薩(百億の昼と千億の夜)と例えたことは、ウルトラマンのデザインを考案した成田亨さんが証言したが、もうひとつ重要なことを見落としていた。このドラマのウルトラマンの敵は誰か?という問題に答えがある。
この映画が、単なるアメリカ的にデフォルメされたアニメだと思ったらそれは大間違いだ。我々60代の年寄りが、子供の頃に熱狂し、ピンチになりながら怪獣を楽したウルトラマンの本当の使命を見落としていた。
ウルトラマンは怪獣を守るために地球へ舞い降りたのだ。
そのことをこの映画ははっきりと我々に示してくれる。その意味で信頼のおける映画であることは明らかだ。しかも、我々60代に対する配慮として、かなりイメージを変えたウルトラマンが、時々見せる表情などに、あのときのウルトラマンが重なる。
ウルトラマンに変身する人物は、科学特捜隊ではない。プロ野球にトレードされたガイジン選手だ。主人公のケン・サトウの思い上がりが周囲を戸惑わせるが、彼がまるで「バットマン」のブルース・ウェインのような存在として描かれている点なども面白い。
子供でも大人でも楽しめる映画だが、かつてウルトラマンに熱狂した我々世代には、違う意味で何かを教えてくれるドラマだった。ジャミラのエピソードを書いたこの記事を思い出す。
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