世界の凋落を見つめて ③ ファシズムは語れと命令する
2016
オバマ広島訪問
イギリスのEU離脱
相模原障害者施設19人殺害
ここで四方田先生は、ほかの著作などでもさかんにロラン・バルトの言葉を引用するとおり、ここでもファシズムについて言及する。
ファシズムとは人々の発言を禁じることではない。逆に人々に語れ語れと命令するものだ。そして誰もが似たような言葉を口にするようになる。これがファシズムだ。
「慰安婦と赦し」で、四方田先生はソウルの慰安婦集会に参加したことを書いている。その集会で田舎から出てきた慰安婦の皆さんは何も語らず、帰りに駄菓子屋さんで買い物をして楽しそうだったという。
日本人は赦しを乞う側で、待つしかない。韓国人は赦すことができないことを赦すという作業に勇気を持って向かわなければならない。
これが四方田先生の主張だ。
その傍らで「日本死ね」で、保育園に落ちてブログに書き込んだ母親のことが国会で言及されている。韓国人は海外に養子を出し、パレスチナ人は虐殺されても出生率が高い。日本はいったいどういう国になろうとしているのだろうか。
森達也監督の「FAKE」にも触れている。
2017
トランプが大統領になり朴槿恵が罷免された。電通のおかげで衆議院選挙を圧勝した自民党だが、電通の過労死も報じられる。森友問題もメディアの忖度で腰砕け。
2018
森友問題で公文書を改ざんさせた事件が明るみになり、トランプと金正恩が握手をした年。
出入国管理法が制定された年。
「安重根待望論」で、伊藤博文をハルピンで暗殺した人物を取り上げる。
テロは独裁体制を転覆させるために人類が生み出した叡智。反面、日本には暗殺されて神様に昇格できるような大政治家なんて存在しない。
東大安田講堂に飾られる「宇佐美圭司の絵」についても言及されている。デュシャンの「大ガラス」についても書いてある。
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