#ルックバック #押山清高 監督
「ルックバック」失うもの
「チェンソーマン」などの藤本タツキ氏の原作を、押山清高監督が1時間にまとめたドラマ。キネノートのランキングに突如現れて圧倒的な高得点で1位を続けているので、あわてて見に行った。シネマ秘宝館84の前。
シニア料金がないのでなぜかと思ったら、入場特典で原作マンガをもらえた。映画が始まる前、チラチラと読んだが、藤本タツキ氏の強いタッチのドラマだ。人物の名前は映画と違うようだ。
劇場は朝9時の会にもかかわらず、大勢のお客さんが熱心に鑑賞されていた。偶然だが、映画が終わって友人の木内監督にこの映画の話しをしたら、彼もすでに見ていて「京アニの事件も・・・」と、これは映画の重要な部分なのでここで止めておくが、この映画には漫画やアニメなどの世界に存在する人たちの夢と挫折と人間性など哲学的な演出になっている。きわめて映画的な演出が印象的で押山清高監督のセンスと才能を堪能できる。
タイトルが示す「バック」には背中という意味のほか、さまざまな意味がある。映画の始まりも背中。ふたりの主人公が出会うシーンも背中、そしてラストの・・・。人物の背中にはどんな意味があるのか?そしてその背中が何を背負っているのか?という素朴なことを丁寧に丁寧に描く。孤独、夢、欲望、傲慢、挫折、これらは人間の生と死という永遠のテーマを
”背負う”。
この情報量をたった1時間にまとめる才能もそうだが、映画のあり方として、必ず劇場映画が2時間でなければいけないという固定観念からの開放もこの映画の務めだろう。シネマ秘宝館に集まればそのことはわかるはずだ。
もしこれからこのブログなどを読んでご覧になる方がいたら、ぜひ人物の”目”に注目してほしい。この映画に出てくる人物の”目”に、もしかしたら何かが映されているかもしれない。
素晴らしい映画。たった1時間でこの感動を得られるとは。河合優実さんが声優をしているのも魅力。
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劇場アニメ「ルックバック」本予告【6月28日(金)全国公開】