サンショウウオの四十九日 朝比奈秋著 芥川賞、”Cuts interest rate(金利引下げ)”

サンショウウオの四十九日
サンショウウオの四十九日
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第171回芥川賞受賞作品。「サンショウウオの四十九日」を読んだ。
著者の朝比奈秋さんは現役のお医者さんだそうだ。


朝比奈秋 - Wikipedia


はじまりのシーンがとてもおもしろい。なんとなく違和感があるシーン。主体となる人物が実家に返って父親と会話し、2階の部屋に入ると妹がいる。ここまではなんのことかわからない。さらに読み進めると、が「胎児内胎児」として生まれたことが大きくこのドラマを動かしてゆく。姉の杏と妹の瞬。このふたりはいったい・・・


伯父の死がタイトルと大いに関係する。


父親の兄の死と、この姉妹の存在がもたらす意味について描かれる不思議な世界。


私(姉の杏)がすんすんと花を鳴らして心地よく夜気を嗅いでいると、今度は一段低く轟く雷音に瞬は恐怖を感じる。


とか、


今でも赤いポストを見かけるとわたし(妹の瞬)が寝静まった夜に杏が手紙を書き、わたしのことはひと言も書かず・・・


など、こうした表現が続く。


タイトルは、ふたりが高校時代、民族博物館で見たオオサンショウウオの陰影魚、「陽極まれば陰、陰極まれば陽、対極はその果てで反転して循環する。」つまりは”同一性だ。体の作りが脳に影響することはよく言われるが、脳と体、そして心の在り方が及ぼす影響についてこのドラマは深堀りしようとしているようだ。


伯父の死は、間違いなく自分たちにも訪れる。そのイメージがラストシーンへと結ばれてゆくのだが、体ではなく意識の死がどう迎えられてゆくのか、という問いを残してゆく。


著者の朝比奈秋さんは、この小説を8年間寝かせて作ったらしく、原型をほとんどとどめていないという。かなり練り込んだ作品のようで、その中に著者の変化や医師としての心象などがぼんやりと映し出されているようだ。インタビューで「皮膚にメスを入れた時の重み、患者の内側に触れたときの弾力に罪悪感を感じる。」と言っている。ここにシンパシーを感じる。


たとえばだが、「アンメット」など、医療を舞台とした面白いドラマはたくさん作られるが、外科医の持つ罪悪感を示した作品はない。



過去に読んだ芥川賞作品。


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FRBが金利を下げた。思えばこのブログを開設した2019年から長官を務めるパウエルの任期中、パンデミックなど様々な想定外の要素が世界に蔓延している。そんな中、4年ぶりの金利引下げは、結果的に世界を追随する形でアメリカとしては遅れた対応だったが、パウエル本人は「辛抱強く待った」と話している。これに逆行する日本の政策は、年の瀬に向けてどのような対応となるのか気になる。ちなみに円は一時140円代をつけた。市場はまだいまのところ冷静だ。



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