ソウルの春 キム・ヨンス監督
「ソウルの春」
'111초의 압도적 긴장감', [서울의 봄] 메인 예고편
甲子園で京都国際が優勝した翌日、韓国の歴史の闇で、当時われわれ日本人も知る機会がなかった現実がそのまま映画になったような作品。超一流のエンタテインメントとして鑑賞に値する素晴らしい映画だった。劇場は映画が始まる前から熱気に包まれていた。
12月12日のクーデター
イ・ビョンホン主演「KCIA 南山(ナムサン)の部長たち」からつながる作品。大統領とその部下という絶対的な関係。そして本作もまた”先輩”とか”兄貴”とかいう言葉が飛び交う。そしてハナ会という個人の縁で繋がり合う組織が軍に広がる。全斗煥をモデルにしたファン・ジョンミン演じる人物は、権力欲そのものためにあらゆる手段で障害を力付くで潰してゆく。
対抗する愛国者で誠実なイ・テシン少将はソウルの警護を任させるトップに就任し、全斗煥勢力を制圧しようとする。ここでもポイントとなるのは情報だ。全斗煥側は電話回線を全て傍受し相手の動きを飲み込んでゆく。
「革命は失敗すればテロ、成功すれば英雄」
という、勝つか負けるか、敵か味方かという単純な対立構造をつくりだし、ディテールを細やかに演出する凄みが伝わる傑作である。2023年韓国で最も興行成績がよかった映画だと聞くと、韓国国民の知見の広さが伝わってくる。
韓国映画界は、こういう映画に資本を投下できる国なのだ。素晴らしいのひとことだ。
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