カドリエンナーレ2024 上野の森美術館
上野の森美術館で9月に開催されていた「カドリエンナーレ」というイベントを偶然に鑑賞。
◆66kg 「死をもって抗議」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
ここに入るのは2021年以来だ。イギリス王室の展示を見て以来。
マクニカという会社の創業者神山治貴氏が主催する芸術支援プログラムのようだ。
ユニークな作品が並ぶが、この中村文俊氏の作品にも「満たされない心」のようなものが表現されているようだ。小さく描かれているのはペンギンだろうか。
安田萌音氏の作品は「自己」と「自然」との関わりを示すもののようだ。同じ日に鑑賞した内藤礼さんともテーマが通じ合う。6つのフレームを規則的に並べた作品に近づくと、泥が乾いてひび割れのようになったものが写される。
個人的に最も印象深かったのは、この谷口月冲氏の作品。雪遊びしている少女の目は全く笑っていない。楽しそうじゃない。現実にはない突き刺すような目の表情に惹かれる。
吉野もも氏の作品は、この展示の中でひときわ目立つ不思議な作品だ。四角いフレームに埋没することを避け、絵画の形そのものを捻じ曲げて折り直すような作品。折り紙に日本人の柔軟性を求めようとする作品だそうだ。
もちろんこのブログなどに収まりきらないスケールの作品がたくさん並んでいるのだが、それぞれに個性的で未来を感じさせる。
ただ残念なのは、この世界を破壊するようなアヴァンギャルド性の高い作品が見当たらなかったことだ。芸術や美術に解釈の制限はない。しかしアートがもし社会に何かを求められるとしたら、その枠に収まる”何か”を描くことだけが仕事ではないだろう。「もっと過激に!」とか「芸術は爆発だ!」と誰かが言ったとしたら、その言葉を発した偉人たちはこの展示にどのような評価を下すだろうか。
僭越だが・・・
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