新宿野戦病院 宮藤官九郎脚本、‘Whatever-it-takes’(何でもやる)
クドカン脚本のドラマを一気見してしまった。実はこのドラマ鑑賞中に、ある大物監督(兼脚本家)の映画を見たのだが、とてもがっかりする内容だった。その反動もあって、クドカンドラマをとても楽しく鑑賞できた。
新宿というと、いわゆる歌舞伎町のこのあたりは付き合いが長い。そして子供の頃から通っていた大人の街歌舞伎町がいまや行き場のない「トー横キッズ」で埋め尽くされている。聖まごころ病院を舞台とする物語は、まさに現代の見えない社会を掘り下げるようなドラマだった。
まごころ病院にからむ「Not Alone」というNPO法人もまた複雑だ。子供や外国人など、行き場を失った人たちを支援しつつ、貧しい人々の命よりも政治家の命のほうが優先されるこの国の現実を突きつけられる。
まごころ病院のスタッフとその家族のことなども複雑に絡まり合う群像劇は、金儲けの医者から命を救うためなら手段を選ばないというアメリカ帰りのユウコ先生(小池栄子さん)の手によって意識改革を迫られる。彼女の下手くそな英語が実にうまくて笑える。しかしアメリカ方式をすべて肯定するわけではなく、日本の保健制度のいい部分は評価しているあたりがフェアだ。
病院の隣で爆発事件があり、その容疑者が運び込まれるが、爆破した加害者を救うべきかどうか。ここにユウコ先生は迷いがない。命は平等だという考えを貫く。終盤のコロナに変わるルミナ感染でパンデミックになっても、まさに野戦病院のような状態にユウコ先生は動じない。
この勇ましい女性の姿は笑いを超えて見るものを感動に導いてゆく。最後にユウコ先生が連行されるシーンの感動もまた忘れがたい。
◆第1話〜第2話
66.5kg 「働き控え」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
◆第3話〜第4話
66.5kg 「4つの動向、321」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
◆第5話〜第7話
66.5kg 「Из плена вернули(捕虜から帰還)」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
◆第8話〜第9話
66.5kg 「The biggest upset(大きな番狂わせ)」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
◆第10話〜最終話
宮藤官九郎さんのドラマは、このところ勢いを増していると思う。その内容の単なる受け狙いの笑いではなく、徹底した社会批判をやわらかくにじませる。
◆離婚しようよ 大石静・宮藤官九郎 脚本 「黒塗り社会」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
サザンオールスターズ - 恋のブギウギナイト [Official Music Video]
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厳しい舵取りを迫られている中国経済だ(大型国債を発行予定)が、いよいよグレイスフル・デクライン(大停滞)を目前にして、自国の利益を守るために「何でもやる」という姿勢を示しているらしい。EUの中国製(電気自動車など)に対する課税に対し報復的な関税を導入。貿易戦争は過去に(日本を含めた)大きな戦争の火種となったことを忘れてはなるまい。
中国経済は厳しい状況にある。「何でもやる」景気刺激策で状況を好転させることができるだろうか?
China puts tariffs on EU brandy in escalating trade row with Brussels | China | The Guardian
中国、EUとの貿易紛争激化でEU産ブランデーに関税導入
