#シネマ秘宝館85 「社会派」

シネマ秘宝館84 四畳半から生まれた自主映画 - 


66.5kg "Shock of Trump 2.0"(トランプ2.0の衝撃) - #ダリチョコ の映画とグルメ


7月以来のシネマ秘宝館が新宿のロフトプラスワンで開催された。ここで開催される秘宝館は1年ぶりになるだろうか。今回も充実した内容だった。



tama-style監督の「言葉とは」は、魚眼レンズや雨の表現など、かなりクオリティの高い映像に、アニメーションを織り交ぜる詩的な世界。寝ながら天井をずっと見続けた思い出は誰にでもある。不甲斐ない自分という内省的な部分に純文学的世界を思わせる。主人公は監督のお嬢さんで、アニメーション部分はお嬢さんが作ったという。



宙崎抽太郎監督「東京ウンコミイラ
山村もみ夫。監督に「圧倒的」と言わしめたすごい作品。もみ夫。監督の言うとおり、恐ろしくも画期的な作品。荒川沿いの身の丈を超える雑草を歩いてウンコをみつけるという話。ドキュメンタリータッチ。



おなじみペキサイト監督の「縁側日記



各種映画祭でもおなじみのペキサイト監督は、縁側でくつろぐ老婆が家ごとロボット化して敵をやっつけるというストーリー。弾倉が資源ごみとして処理されるあたりがペキサイト監督らしい。


そして常連の山村もみ夫。監督「残念ながら、人妻になります



プロポーズしようと待ち合わせしたスナックで、トイレに入っている間に、告白しようとした女性が別のフィアンセを連れてきて大混乱する。まさに山村もみ夫。監督タッチの巧妙なシナリオにうなる。



休憩をはさんで木内一裕監督のデビュー作「White Shadow 〜白イ陰〜」。一昨年シアターバッカスで鑑賞して以来。大ヒット中の「#シビル・ウォー アメリカ最後の日」にも出演しているニック・オファーマンが主演の貴重な作品。木内監督が当時、スタッフに起きた様々なビハインドを乗り越えて、生涯のテーマとして取り組んだ作品だ。今見ても新鮮。当時この映画に協力した方のその後のキャリアがすごくて、誰もが知っている映画で第一線の活躍をされていることを聞いて驚く。たった一週間の撮影中に起きた様々なドラマは、それだででも映画になるような気がする。



飯塚貴士監督の3作品。「バニーまつり」以来。
このあたりから、この日の秘宝館のテーマが浮き彫りになってくる。どうも今回は「食」がテーマなのではないかと思わせる。飯塚監督の3作品で「ポイズンの夜」では、”言いたいことはいつも言えない。そんな世の中なのか”という問いで終わらせ、次の「食事 Live on nothing」では、食べる野菜にも意思をもたせ、最後には空気にも意思があって、”息もできない”状態となる。これらの意味することは明らかだ。とかくこの社会は不自由だ。


岸本真季監督の作品は「ゴジラ公開記念」以来。
今回は地元の防災訓練のため欠席となったが、「闘え!!ハクマイダーフォー(海神様編)」もまた「食」と関係があるキャラクター。怒涛のようなセリフ(20%削ったというが・・・)に激しいカットの展開に圧倒される。



2回目の休憩をはさんで松野友喜人監督の「全身犯罪者



・・・ちょっとこれは・・・。
言葉にならない。唖然とした。


配信が終わったあと、ライブのみで上映されたこの作品は、最初のシーンからあまりにも刺激的だ。松野友喜人監督自身が複数の役を演じ分け、撮影なども自身で行った。卒業制作作品で最優秀を獲得したが、上映は禁じられたという問題作。何しろ過去に覚えのある犯罪者が現れて次々と殺し合うという恐ろしいドラマ。松野監督は最初、国際的な人物も登場させる予定だったが、さすがにそれは学校側から遠慮するよう忠告されたらしい。



年明け1月に公開される長編作品がスタンバイとなっているらしく、若くて才能ある松野監督の将来が楽しみだ。


社会派」をテーマにした作品群は、なんとなく「食」に関する作品が多かったように思う。「食」というよりも我々の口に入るものとも言えようか。それは木内一博監督の作品にあるメルトダウンした原子力もそうだし、山村もみ夫。監督で出されるウィスキーもそうだ。「縁側日記」で老婆が飲むお茶や、松野友喜人監督の作品で強烈なインパクトを与える食べ物。食べたものを出す”ウンコ”を目にするドラマも含めて、人間の口から入って出るまでの「社会性」に踏み込んだと解釈することもできる。その意味で、松野監督作品では”逆流(口から戻す)”という行為までもが示される。


飯島貴士監督作品を中心として「食」を軸とする人間の口に入って出るまでの過程について深く思いを巡らせる作品群だったと思う。


松野監督の作品は、その意味で極めて反逆的でアヴァンギャルド性が高く、印象が強かった。


途中から、いつぞや食事をご一緒させていただいた渡辺哲さんもご来場されていたようだ。またご縁があればお話をお聞かせいただきたいものだ。
(=^・^=)



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