#テクノ・リバタリアン ② 総督府功利主義

テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想 (文春新書)
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PART2 クリプト・アナキズム


ここはアナキズムについての学習パートだ。このブログでも紹介した川上幸之介さんの著書も参考になる。


パンクの系譜学
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パンクの系譜学 ① 川上幸之介著 - #ダリチョコ の映画とグルメ



アナキズムとは女性活動家のメアリ・ウルストンクラフトに影響を受けたウィリアム・ゴドウィンが理論的支柱を組み立てたもので、私有財産の廃止や国家の廃絶を意味するものだ。ふたりの間に生まれたメアリー・シェリーが「フランケンシュタイン」の原作者であることはあまりにも有名だ。


ここでが「アナキズム3.0」と題して、以下の変遷に整理する。


アナキズム1.0  無政府組合主義

アナキズム2.0  無政府資本主義

アナキズム3・0  暗号無政府主義 = クリプト・アナキズム


すなわち現代はすでに国家の信用を示す通貨を離れて、暗号(データ)による信用を重視する社会移行しているというのだ。そしてクリプト・アナキストが描く未来とは、暗号化された社会でほとんどの人が去るべき運命にあることを想定しているというのだ。ティモシー・メイに言わせると「デモクラシーと自由は存在しない」として、この惑星の1%が暗号によって守られる社会が行く末に待っているのだそうだ。


PART3 総督府功利主義


著者の橘玲さんは、この「総督府功利主義」をこの本の中心に据えると明言している。それはアナキズムに対する学習とも関連がある。


安藤馨氏の「統治と功利」では功利を最大化する総督府がルールを決める、いわば賢人主義のような思想を支持している。家父長制はコストが安く、ネットの普及で個人を管理しやすくなった。ここから徹底した監視社会に突き進むのだが、これによりレッセフェール(自由放任主義)が実現するというのである。


つまり


アナキズム = 中央集権を必要としない自由

総督府 = 中央集権組織による自由


オーウェルの「1984」のようなデストピアではなく、リベラルな監視社会に向かおうとするのがテクノ・リバタリアンの目指す方向ということになる。総督府は効用が最大化するならデモクラシーまでも否定してしまうのだそうだ。


ここから優生学に言及するような内容になってかなり混乱するのだが、橘玲さんはかねてから「言ってはいけない」などの著書でそのことを証明しようとしている。


言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)
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ケインズ主義も優生主義的な側面があることを否定できない。


つづく・・・


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