資本主義と民主主義の終焉② 神話の崩壊

資本主義と民主主義の終焉――平成の政治と経済を読み解く (祥伝社新書)
資本主義と民主主義の終焉――平成の政治と経済を読み解く (祥伝社新書)
祥伝社


第三章 熱狂する国民 2000-2004
小泉政権と同時多発テロ


先ごろ想田和弘監督が世界的に評価を集めた「選挙」(2007年)という映画を見たが、まさにこの時代を映し出す映画だった。我々はこの時代「自民党をぶっ壊す」というフレーズに酔った。小泉改革は「革新」という言葉を消し去る強烈なインパクトがあった。経団連会長だった奥田碩氏が「春闘は死語」と発言したのもこの時代。


この時代に新自由主義社会の礎が築かれ、日本は戦後の急成長で得た果実を全て吐き出してしまった。


2003年に株価は7000円台に落ち込み、物言う株主という存在が注目され(その後逮捕起訴)、行財政改革という名のもとに、利益誘導型の政治が完成する。自己責任という言葉が強調され、リスクを個人で背負う社会が出来上がった。間違いなく我々はこの政治を支持したのだ。


第四章 新自由主義の席巻 2005-2008
リーマンショックと格差社会


ここでは2007年リーマンショックに至るまでの経緯をまとめている。


ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」を引用して、この時代の経済を「惨事便乗型資本主義」と称し、経済停滞に富裕層がつけこんで、焦げ付いた物件を買いあさり、その後ボロ儲けするという仕組みを示している。


アメリカからの圧力による小泉政権が「郵政民営化」を強引に推し進め、ナショナリズムを煽る選挙で圧勝。同時期にサプライチェーンの影響でトヨタが71年ぶりの赤字となり、製造業の派遣が解禁される。


実はこの裏側で、中国が大規模な公共投資を行っている。これが実は世界大恐慌を防いだとも言われている。ここは重要な部分だ。


第五章 神話の崩壊 2009-2011
政権交代と東日本大震災


ナショナリズムを煽った反動で、小泉政権の嘘がばれ、2009年民主党政権が到来する。おふたりは民主党政権に一定の評価を与えたうえで、彼らに思想的な基軸がなかったことも指摘している。


リーマンショックの影響を受けた日本の製造業は輸出がストップし、あわせて電機産業もダメージを受ける。この影響は巨大企業の人員削減によって穴埋めされる。


さらにダメ押しとなる2011年東日本大震災によって、民主党政権は終わる。この時、保険会社が巨額の拠出をするため、ドル建て資産を次々に売却したことが円高にシフトした理由だったらしい。2011年ドルは75.78円となる。




つづく・・・


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