エマニュエル オードレイ・ディヴァン監督、"Ethnic cleansing"(民族浄化)
「エマニュエル」
2024年の映画体験のひとつに「エマニエル夫人」の鑑賞というのがランクインしていて、子供の頃興味津々だったこの映画を、映画館の大きなスクリーンで鑑賞できたことは忘れがたい思い出となった。(やや大げさだが・・・)
50年前の作品と本作は違う。かつては男性の立場から支配される女性の映画というイメージだったが、この映画は女性監督ということもあって、ビジネスで抑圧される女性の解放について「性」を通して表現する映画だ。「燃ゆる女の肖像」でも好演したノエミ・エルランの体当たりの演技が光るが、その美しさは自らの意思を示すものだ。
久しぶりにナオミ・ワッツが重要な役で登場したのには驚いた。彼女もまた「マルホランド・ドライブ」で愛に翻弄される女性を演じていた。その意味でノエミ・エルランとナオミ・ワッツの共演は見ものだ。
抑圧と欲望の内的衝突は、このホテルに宿泊するシノハラという謎の人物に大きく揺さぶられる。高級ホテルのスイートを予約しながら、ホテルのベッドで寝ない人物を求めて、主人公は逡巡する羽目になる。会社からの要求、隙を見せない支配人、ホテルを取り巻く人達(娼婦など)に、このダム建設の技術者が絡まり合う。彼の「外へ出ろ」のひとことが、最後の重要なシーンへと突き進む。
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連日大ぼらを吹き続けるアメリカ大統領は、早速イスラエルとの大外交を行い、スーパーでお菓子でも買うようにガザをアメリカが手に入れる計画を発表した。国連はこれを「民族浄化」だと強く批判し、当のパレスチナ人は「ガザの地獄のほうがまし」と拒否反応を示している。同じ頃中国の習近平主席はパレスチナ大統領と会談を設けている。
◆トランプ大統領がガザからの撤退を提案、パレスチナ人は1948年を再現することを拒否
