リアル・ペイン〜心の旅、”Survival and suicide"(生存と自死)

リアル・ペイン〜心の旅」はジェシー・アイゼンバーグが監督と主演をした映画。途中からなぜか涙が止まらなくなる。その理由はよくわからない。


冒頭、キーラン・カルキン演じるベンジーが飛行場でいとこのデイヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)を待つ姿の横にタイトルが出る。そしてこれはラストで全く同じシーンで終わる。


デイヴィッドには家族があり、ベンジーはひとり者。いとこ同士で今はなき亡きポーランドの祖母の家を訪ねる旅を描く。正反対のふたりは、破天荒なベンジーをデヴィッドが心配しながら進む旅。


正反対のふたりとツアー客たちがが行き着くのはポーランドのユダヤ人収容施設。当時のまま残された建物の壁や天井に青い模様が残る。ガス室で大量虐殺された誰もいない施設をほぼ無言で示す。


この映画は何を言いたいのだろうか。


いとこ同士のふたりは真面目な主人公の目からおかしな行動のベンジーをやきもきしながら見つめる物語なのだが、実は主人公が最も病んでいるのではないかと感じさせる。奔放な生き様のベンジーを否定できなくなる周囲の目線が変わってゆくのだ。しかし、ベンジーもまた奔放に見せながら痛みを抱えているというラストだ。


痛み。アウシュビッツ開放から80年。


それは誰もが心のどこかに抱えるものだろう。自分に対して、あるいは他人に対して抱く痛みを、この映画は強く見る者に伝える作品になっている。素晴らしい映画だ。


A Real Pain review – Jesse Eisenberg’s sauntering Holocaust tour comedy is a masterpiece | Film | The Guardian ガーディアンが珍しく星5つをつけている。


‘Every day is 24 hours of panic to just get out the door’: Jesse Eisenberg on self-indulgence, candid aunts and his Oscar-tipped Holocaust comedy | Film | The Guardian


町山智浩『リアル・ペイン 心の旅』を語る | miyearnZZ Labo

韓国人の父親を持つ町山さんにとっても重なり合う映画。


Jesse Eisenberg on the bitter and sweet of "A Real Pain" - CBS News


‘A collective sigh of relief’: how Jesse Eisenberg’s A Real Pain went down in Poland | A Real Pain | The Guardian



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町山智浩さんがラジオで紹介していた伊藤詩織監督が生き残りを賭けて作った『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』は現時点で日本公開が未定だが、伊藤詩織さんがCNNのインタビューに応じている映像が届けられた。かたや韓国では、有名人の自殺が相次いているという報道もある。日本でも木村花さんの自殺が衝撃的だったが、体と心を痛めた女性を守る術はないのだろうか。SNSが凶暴化している。そして権力寄りの報道者の横暴もまた目に余るものがある。こういう人物を野放しにしておく警察や検察は、冤罪事件の被告を侮辱し、裏金議員を不起訴にする姿勢を変えるつもりもないらしい。彼らは「リアル・ペイン」を理解しないらしい。



◆「私が生き残るには質問することが必要だった」:ジャーナリストが自身の性的暴行を調査


The Betrayal of Itō Shiori: When Lawyers Do More Harm Than Good - Unseen Japan



◆「巨大なイカゲームのように」:韓国で有名人の自殺が相次ぐ

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