能登デモクラシー、"long-awaited pitching"(大谷翔平)
◆67.5kg "Pacific Four title"(ブラックファーンズ優勝) -
◆能登デモクラシー(KINENOTE)
能登を描こうとした映画ではない。映画の中盤から能登の震災を映像は追いかけはするのだが、被災のことを映画が捉えようとしてはいない。むしろデモクラシーについて強く考えさせられる映画だ。これは地方都市のある姿ではななく、この国が慢性的に抱えている時代遅れの民主主義を描く。
「国葬の日」で大島新監督にサインを頂いて以来、この映画公開二日目のポレポレ東中野はほぼ満席。そして場内は猫が登場するシーンや、穴水町の議員さんが世間ズレした発言をするたびに失笑する。五百旗頭幸男監督の「はりぼて」もそうだったが、彼らが議員が真剣になればなるほどそれを映像で見る我々は呆れて笑うしかない。政治はコメディなのか。
五百旗頭幸男監督は幼い頃テレビがなかった。6人兄弟でチャンネル競争になることを父親が嫌ったからだそうだ。インタビューで印象的だったのは、メディア権力で地方自治をひっくり返そうとする勢力には反発するという。
この五百旗頭監督の姿勢には一定の学びがある。彼の求めているのは改革であって革命ではないのだ。地元石川県で取材を続ける五百旗頭監督自身が穴水町の議員や町長に直接取材して突きつける疑問。彼らの困惑する表情が映画館の大きなスクリーンに映されるとき、その顔に自分の顔を置き換える。彼らが馴れ合いで過ごしてきた地方自治を笑って見過ごせるのだろうか。
この映画の主人公である元教師の滝井元之さんが献身的に利益など度外視して働く姿。そして「紡ぐ」という手書き印刷の新聞の記事を書くために頭を抱える姿をどれだけの思いで感じ取るべきだろうか。滝井さんは内心、モーレツに機能しない町の二元政治に反発心を持っている。しかし最初のシーンで滝井さんの発言を「長い」と遮る人もいる。
小さな過疎地が抱える現実は容易ではない。あからさまに町長に反発すれば、支持者から嫌われる。反面、滝井さんい寄せられる募金額は増えゆく。議会のことが全く公開されず、滝井さんの小さな新聞でしか隠された政治を知る機会のない町民が少しずつ募金を滝井さんに寄せる。過疎地の声なき声が増える募金額に示される。
長い取材を続ける途中で震災のシーンに変わったとき、その表現の見事さに胸を強く締め付けられる。水も通らなくなった滝水さんの住む集落。このときからヒゲを伸ばし始めた滝水さんが、必死に被災地を歩く。その姿にようやく重い腰をあげた議員が一緒に仮設住宅を訪問しはじめる。
こうした現実が過疎地の現実だとしても、滝水さんに代わる人物はもうこのあと現れないだろう。
「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」にも言及。取材協力者を隠し撮りするのは論外だと。
◆石川県穴水町で手書き新聞を発行する滝井元之氏の活動を通して民主主義を考える
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