コンパニオン、"No Improvement"(ジェンダーギャップ改善せず)
町山智浩さんの解説を聞いて、5月末にアマプラで鑑賞したが、これはまず解説も何も聞かず、予告編も見ないで、予備知識ゼロで見るべき映画かもしれない。サザンのライブの前にセットリストを見てしまうような感じだ。
映画が始まって10分程度過ぎたあたりから思いがけない展開に進む。冒頭のシーン。
美しい女性がスーパーで男性と出会う。
これしか書けない。この先を書こうとすると、全てがネタバレになる。ネタバレになるが、敢えて何かを書くとしたら、この映画はこれまで経験したことのない、想像を絶するラブストーリーとも言える。
打算で生きる人間がひとを愛する理由とは何か。自分の脳が愛するひとを心から慕うのはなぜか。無常の愛が行き着くところはどこか。ありとあらゆる精神的で哲学的なテーマが隠された傑作だと思う。支配、自律性、そしてテクノロジーへの依存の危険性など、極めて現代的なテーマが折り重なる。
キーワードは”Go to sleep”(眠れ)だ。
「眠れ」とは、支配的は言葉だ。「眠る」という行為を命じる言葉がこの映画では頻繁に使われる。その意味とはなんだろうか。考えると眠れなくなる。
Companion (2025) Interview | Director Drew Hancock Talks AI & Horror
ガーディアンの評価は手厳しい。ここでもネタバレに注意するよう警告している。
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2025年男女格差ランキング、日本は改善せず
毎年この時期にジェンダーギャップ指数の発表があり、日本は今年も前年同様G7で最下位、ランキングも変わらなかった。天皇に側室をつくれだの、時代錯誤なご意見がまかりとおるような社会にあって、このランキングは日本とは無縁のものと考えるしかなさそうだ。
