「入国審査」 最後の瞬間で息が止まる─国境を舞台にした心理サスペンス
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「税関での尋問のような緊張感。ラジオの声、閉ざされた部屋、最後の瞬間まで何が起こるかわからない心理サスペンス」
いきなり私事ですが、先ごろニュージーランドに行ったとき、税関で荷物をくまなく調べられた経験があります。さらにさかのぼると、ホーチミンでパスポートを盗まれ、帰国時に税関で取り調べを受けたこともありました。
そんな経験があるからこそ、この映画の冒頭から心臓がドキドキします。目的地で自分が入国できない、あるいは出国できないかもしれない――その恐怖を思うだけで、観る側も緊張感に包まれます。
Upon Entry (La llegada) | Trailer Oficial | 16 de junio en cines
冒頭、タクシーでラジオから「トランプ」という声が聞こえてきます。その意味が明らかになるのはラスト。最後の瞬間まで、何が起こるのかわかりません。
時折、男性が見せる不安げな表情も、物語の行方をさらに不安にさせます。取り調べ室に閉じ込められ、携帯電話のスイッチも切られたふたりは、尋問の過程で次第にお互いの過去を暴かれていきます。
その間、部屋の外から聞こえる音――声、工事の騒音、靴音――が、見えない不安をさらに増幅させます。まるで監視されているかのような緊張感。
そしてラスト。ふたりの信頼関係が崩れかけたそのとき、画面に映し出される衝撃の結末に思わず「え?」と声を上げました。冒頭のタクシーのラジオと主人公の生い立ちが、鮮やかに重なり合う瞬間です。
この映画を観て、過去に見た『人間の境界』や『ノー・アザー・ランド』、さらには『トリとロキタ』や『コンパートメントNo.6』の映像がよみがえります。国境を舞台にした物理的、心理的な分断が、私たちの社会を覆っていることを改めて感じます。
グローバル化という綺麗ごとのスローガンは消え、生き延びるために越えなければならない国境がそこにあります。ときには戦争で分断された国境を越えるドラマもあり、『大地の子』や『人間の條件』の世界も思い起こされます。
この複雑な社会で、こうした映画をどう消化するか。簡単ではありません。しかし、観終わった後の深い余韻と問いかけこそ、この映画の真価だと思います。一筋縄ではいかない、考えさせられる作品です。
わたしたちは、この複雑な社会にあって、こうした映画をどのように消化すればいいのでしょうか。とても深く考えさせられる映画でした。一筋縄ではいかない作品でもあると思います。
入国審査(KINENOTE)
こうしたニュースも身につまされる内容です。
ニュージーランド人の母親と6歳の息子が数週間拘留された後、米国移民局から解放された。
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