退化する天才たち—DEVOの衝撃的な軌跡

dalichoko(ダリチョコ)

Netflixで配信されていた「DEVO」の映画を見ました。




ローリング・ストーンズの原型をまるで止めない「サティスファクション」。これが1978年のことだ。



Devo - [I Can't Get No] Satisfaction (Video)


バンドの中心人物であるインテリ、マーク・マザースボウとジェラルド・キャセールに別々にインタビューし、当時を振り返ります。DEVOというバンド名は退化論に由来するとのことで、驚かされました。彼らは“退化”を前面に押し出し、長い下積み期間の中で多くのバッシングを受けながらも、大手レコード会社(ワーナー)と契約。爆発的なヒットを飛ばして、やがて進化を遂げます。


退化から進化へ


デビューアルバムは当初、デビッド・ボウイがプロデュースする予定でしたが都合が合わず、友人のブライアン・イーノが担当することに。イーノ曰く、「彼らは全く言うことを聞かなかった」とのことです。


彼らはデビュー当初から映像表現を意識して活動していました。MTVが誕生する前から奇抜なファッションや映像演出を取り入れ、先進的な存在として注目されます。


また、彼らが結成された背景には、オハイオの田舎に暮らす若者たちがニクソン政権やレーガン政権を痛烈に批判する環境がありました。インテリである彼らは、世の中の流れと逆行する活動で注目されますが、その過激さゆえに、最終的にはレコード会社から契約解除されることになります。退化から始まり、進化しすぎて再び退化する――まるで『ビジョナリー・カンパニー3』の「衰退の五段階」を連想させます。


ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
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その活動の背後には、ダダイズムやアナーキズムの影響も感じられます。芸術と社会経済が混沌とする中で、新自由主義社会到来期に大活躍した彼らの存在は、誰も否定できません。機械的な音楽に見えるその強烈な破壊行為を、複雑な気持ちで見守るしかないのです。


監督はクリス・スミス。音楽を中心としたドキュメンタリー映画を数多く手掛ける鬼才です。彼がこの映画を監督したこと自体にも価値があります。見応え十分の映画でした。




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