下北沢の街歩きで感じる、時間と文化の息づかい
先ごろ下北沢の駅に降り立ちました。
渡辺哲さんの舞台を観に行くためですが、歩くほどに街の魅力に引き込まれます。
「ザ・スズナリ」の建物の1階からすでに独特の空気。小さなカフェや古い店が入り混じり、アートや音楽に熱い人たちが集う、ちょっとおしゃれな「ゴールデン街」みたいです。
近くのディスクユニオンにも立ち寄りました。広い店内には音楽好きがいっぱいで、CDよりもレコードの値段にびっくり。熱気がそのまま街に流れ込んでいるようでした。
(注:注:「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」に出てくる道路標識の少年)
観劇後は本多劇場の地下をうろうろ。
迷路のような空間を歩いたあとは、BONUS TRACKのあたりに向かいます。
ここはもともと小田急線の線路跡地で、新しい店と古い建物が混ざり合うユニークなエリアです。
駅のカフェでひと休みした後、予約したレストランへ。途中に通ったバーにはボブ・ウェルチやリッキー・リー・ジョーンズのジャケットがずらり。古い文化と新しい感覚が共存する下北沢らしい景色です。
歩きながら感じたのは、古い建物が持つ時間の厚み。新しい建物は便利ですが、古い建物には人が暮らしてきた証や親しみが残っています。本多劇場の昭和の香りも、そのひとつ。
池上彰さんの著書でも触れられているように、古い建物には無機質な新築にはない親しみや物語があります。本多劇場のあの昭和の香りも、建物の持つ時間の積み重ねの一部でしょう。こうした観点から、「思い出横丁」や「ハモニカ横丁」、ゴールデン街のような空間をどう残していくかは、日本の都市文化にとって大きな課題です。
少し話を広げると、中野サンプラザの建替え計画が資金難で止まったこともありました。長く親しまれてきた建物を壊すのではなく、リノベーションで残していく――「100年建築」の考え方が、これからの街には必要なのかもしれません。
下北沢の街歩きは、ただ歩くだけで街の空気や人の熱気、歴史まで伝わってくる体験でした。歩くほどに街が語りかけてくる、そんな午後のひとときでした。
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