KISSTORY 地獄の軍団

dalichoko(ダリチョコ)


バンドや音楽を長く続けることの難しさを伝える映画です。


ざっと思い浮かべるだけで「ボヘミアン・ラプソディ」「エルヴィス」「ジャージー・ボーイズ」「ロケットマン」「ベターマン」「ボブ・マーリー」「名もなき者」などなど。「スター誕生」もそうかな。


どのドラマにも共通する、ビッグ(メジャー)になるまでの興奮と、大金を手にするようになってからの苦悩と転落を示すドラマが多いようです。


内容はそれぞれ見てもらうとして、個人的なキッス体験などの記憶を呼び起こしてみたいと思います。


中学校の同級生にアメリカ留学した人がいて、当時ラジオなどでいわゆる洋楽に興味を抱いていたわたくしは、「向こう(アメリカ)で流行ってるバンドは何だった?」と聞いたら、二つ返事でキッスと返ってきたことを思い出します。


音楽雑誌などを見て、彼らのコスチュームの奇抜さにすぐに惹きつけられて、親にせがんで何枚かアルバムを購入します。初めて手にしたアルバムが「デストロイヤー」だったと思います。「デトロイト・ロック・シティ」が、ラジオで聞く曲(シングル)とアレンジが変わっていたことを知りました。このアルバムから多くのヒット曲が出されましたが、このドキュメンタリーを見ると、この1枚前の「アライブ」がレコード会社(カサブランカ)を救ったとしています。カサブランカレコードが倒産寸前だったとは驚きでした。


1977年、彼らが来日したとき日本武道館(大きな日の丸に圧倒されました)のライブは衝撃でした。前座は山本恭司さんの「BOWWOW」でした。オープニングの「デトロイト・ロック・シティ」から「ロック・アンド・ロール・オール・ナイト」、アンコールの「ブラック・ダイヤモンド」まで瞬きする間もないほどのライブ。



このあと、もう一度彼らのライブを見たのは2013年の幕張メッセ。このドキュメンタリーにも出てくる「キッス・アーミー」が大勢集まっていました。思えば、1970年代から2000年以降まで、彼らの紆余曲折を知ることができる映画になっています。エースやピーターの離脱。エリック・カー(ドラム)の死。「リック・イット・アップ」から再びメークをして復活、そして最終公演までのドラマが描かれます。



ジーン・シモンズがイスラエル人で、母親がひとりで彼を育てたこと。移民としてアメリカに渡ったときの疎外感。ユダヤ人のポール・スタンレーが名前を変えてデビューしたことと、彼の片方も耳が聞こえなかったことなど、衝撃の事実が明かされます。


見どころがありすぎてうまく説明できませんが、幅広い世代の鑑賞に耐えうるよくできた映画です。彼らはもうライブをすることがないでしょうが、彼らの残した実績は消えません。素晴らしいバンドだったと思います。

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