「医の倫理と戦争」ー医師はなぜ戦争に抗えないのか

dalichoko(ダリチョコ)

今さらですが、今年6月にお亡くなりになったユーロスペースの創業者、堀越健三さんのご冥福をお祈りします。いつも刺激的な映画体験を提供してくださったことに、心から感謝いたします。これまでにも、これからも。



先日、そのユーロスペースを訪れ、一週間限定上映の作品を鑑賞しました。



医の倫理と戦争」(KINENOTE)


どうしても見たかった映画です。予定していた孫の世話がなくなったので、あわててチケットを予約し、観ることができてとても嬉しかったです。本当に良かった。


中国での人体実験…731部隊の真実を追う 映画「医の倫理と戦争」予告編


映画の冒頭は、銀座の数寄屋橋交差点から始まります。この日の朝、たまたま私も銀座を歩いていました。そこで行われていた小規模な30人程度のデモ行進が、映画の始まりとなります。


世界で戦争が起き、その戦争にどこかの島国も躊躇なく加担しようとしている空気が漂う世の中で、なぜ医師は戦争に反対しないのか――これが山本草介監督の問題意識です。医療は病人を治療するだけでなく、人道支援としての平和活動から始まるべきだと問いかけます。多くの死を生み出す戦争を、なぜ医師は止められないのか。


ここから話は「731部隊」へと飛躍します。森村誠一さんの「悪魔の飽食」は当時大ベストセラーになり、私も読みました。このブログでも僭越ですが少し記事にしたことがあります。


「鎮魂と謝罪」 - 


「731部隊」で人体実験を行った医師が、その後日本医師会で重要な役職に就き続けたという事実。そして、当時少年兵だった従事者の証言に基づき、現在の医療行政について厳しく問いかける素晴らしい作品です。


国際的な医療の立場では、患者を守るためなら国家権力や法律も無視できるステータスがあるにもかかわらず、我が国では医療保険のない外国人患者の受け入れを拒否し、死なせてしまう現実があります。医療費削減や終末医療のあり方も含め、極めて人道的で普遍的な問題へとつながっていきます。


90歳を超える看護師の方々のインタビューは、涙なくして見ることができません。



映画終了後、映画にも出演されていた京都大学の吉中丈志教授に山本監督がインタビューし、最後には質疑応答もあり、とても充実した時間でした。


客席からの「東大などの研究者が、東大という名に傲って傲慢な方向に向かった可能性はあるか?」という質問に、吉中先生は「その考えは否めない」と応じていました。731部隊のリーダー、石井四郎もその一例です。国家の命令で盲目的に非人道的行為を繰り返す人たちと、彼らに促され盲目的に追従する若者たち。この構図を、現代社会にも当てはめることができないでしょうか。




映画が始まる前、素敵な女性が目に留まりました。国会議員の吉田はるみさんです。多くの政治家が観るべき映画だと思いますし、吉田さんが「731部隊」について国会で質疑する日が来ることを期待したいです。



吉田さんがX(ツイッター)に書いている日野原重明先生のメッセージを重く受け止めたいと思います。

×

非ログインユーザーとして返信する