亀戸ぎょうざ・錦糸町
重たい映画の余韻を引きずりながら、半蔵門線で錦糸町へ。
久しぶりに「亀戸ぎょうざ」を食べようという話になりました。
いつ来ても行列の店ですが、この日は競馬開催日ということもあって、店の前にはさらに人だかり。入口に並ぶその背中の数だけ、それぞれの人生と胃袋の事情があるのでしょう。
まずは餃子。一皿330円。
気がつけば三皿平らげていました。皿が重なるたびに「まあ、たまにはいいだろう」と自分に言い訳しながら。
辛子とラー油をたっぷりつけて食べるのが「亀戸ぎょうざ」の流儀。
ツンと鼻にくる感覚がたまりません。あれこそがこの店の記憶を決定づける“香り”かもしれません。
チャーハンは相変わらずのボリューム。990円。
値段は以前よりだいぶ上がりましたが、まあ昨今の日本で値段が上がらないものを探す方が難しい。量だけは昔のままのようです。
締めのラーメン(770円)は、これまたシンプルながら沁みる味。
餃子から始まり、チャーハン、そしてラーメンと続く“定番フルコース”。これを注文すると「久々に来たなぁ」としみじみします。
どうやら2年半ぶりの「亀戸ぎょうざ」だったようです。
錦糸町で降りる機会が減ったせいでしょう。街との距離は、心の距離とはまた別の時間軸で変化していくようです。
子どもの頃、私は錦糸町駅からバスに乗り、祖母の家へ向かっていました。
母方の兄妹が集まり、そこに東北出身の父が混ざって大騒ぎしていた、あの賑やかさ。
今ではもう二度と再現できない光景です。
錦糸町を歩くと、ふとした匂いや風景が、その頃の楽しさを呼び戻します。
街は変わっても、身体のどこかに残っている記憶は消えません。
むしろ、年齢を重ねるほど鮮やかになる気さえします。