ランダム音楽祭 「歌ってしまった『同期の桜』」
友人のYさんにお誘いいただいて、去年9月の「シネマ秘宝館」で紹介された前田キヨ子さんが主催するイベントに参加しました。年の瀬の土曜日です。その「シネマ秘宝館」ですが、2月11日(祝日)新宿ロフトプラスワンで開催されます。
Yさんはとてもお付き合いが広くて、この場でも行き交う多くの方がYさんにご挨拶されていました。
ここ銀座ライオンの建物は、登録有形文化財です。
初めて入るこの建物の6階には、すでに大勢のお客さんが詰めかけていました。
ほとんど予備知識なしで参加したのですが、このイベントのテーマは「平和」。
「平和を祈って 平和を願って 歌いつごう!」というタイトルに合わせて、戦後80年、昭和100年を歌い継ぐイベントです。
幼い頃、年の瀬になると昭和歌謡の番組で見聞きした楽曲が続きます。とてもショックだったのは、イベントに冒頭にかかる戦前の曲を皆さんで合唱するのですが、歌っているうちに戦前の気持ちになってくるのです。
蘇州夜曲(Soochow Serenade) - 李香蘭(山口淑子)
「蘇州夜曲」も素晴らしいのですが、一度も声にしたことがない「同期の桜」を歌うと、歌っているうちに、頭では拒んでいるはずの感情が、喉の奥からせり上がってくるのです。
正直言ってショックでした。
全員がベルを持って合唱するあたりから、いよいよ会場が一体となります。
音楽療法のご専門でもある前田キヨ子さんが主催するイベントだけあって、来場者向けに手話の案内があったり、NHKの元アナウンサー(「ラジオあさいちばん」などで活躍された)遠田恵子さんが歌詞を先読みするなど、客席にもプロの方がいて盛り上げます。
なんとなく、「みんな、おしゃべり!」を見に行ったときの空気感でした。
中盤では、ニューヨーク在住の盲目のジャズ・シンガー加納洋さんが演奏するなど、大変な盛り上がりとなって、大団円は場内全員で「ウィー・アー・ザ・ワールド」を輪になって歌うという、大昔通ったことがある歌声喫茶状態になりました。
前田さんも言われていましたが、もはや戦争を語り継ぐことなど不可能な状態となったいま、この国の”いま”を感じます。まさに「同期の桜」を皆が歌うような世界。
弱者や障害者を見下し、「がんばらなったことが悪い」とか「さもしい顔して金をもらおうとするな」とか、国家が強く国民を弾圧するような空気にあって、戦前の歌を歌い、平和を言葉にすることの価値と意味がこのイベントから感じられました。
前田さんは「これが最後」と言いますが、最後に一体となった皆さんはまだまだこの会が続くことを期待しているようです。
Yさんのおかげて、またいい体験ができました。ありがとうございました。
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