ペリリュー ― 楽園のゲルニカ ―
ペリリュー 楽園のゲルニカ(KINENOTE)
去年は戦後80年という節目もあって、戦争映画をたくさん観ました。
もともと私は戦争映画が大嫌いです。戦争そのものが嫌いなので、戦争にまつわる話と向き合うことを避けて生きてきました。
しかしそれが誤りであったことに、この年になって初めて気づかされました。誤りは、見つめ直すべきものなのですね。
その意味で、この『ペリリュー ― 楽園のゲルニカ ―』は、戦争映画を避けてきた人にとっての入口として非常に優れた作品だと思います。
この日の劇場は満席で、しかも大勢の子どもたちの姿がありました。
彼らの目に、この映画はどのように映ったのでしょうか。
三等身の可愛らしいキャラクターとは裏腹に、物語の内容は極めてリアルです。
さらに、人物以外の情景描写もまた、とてつもなくリアルです。
ひとつひとつの風景があまりにも美しく、物語の進行とは真逆の印象を与えます。そこには、まさに「ゲルニカ」が存在しています。
年の瀬に皆さんと歌った「同期の桜」。
正月の一般参賀で耳にした「天皇陛下バンザイ」。
こうした記憶や体験の流れが、この映画のペリリュー島へと集結していくように感じました。
『人間の條件』や『大日本帝国』で感じたリアリティも、『シネマ秘宝館』で感じたあの空気感も、すべてがここに至っている気がします。
物事には、すべて関連性がある。そう思わせる映画でした。
見たくないものと、忘れてはならないものは、重なり合っている――
そんな問いを、静かに突きつけられた気がします。
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