お好み焼き 穂里
浅草でどこかお店に入ろうとするなら、せっかくだからチェーン店はやめたほうがいい。それと外観があまりにもきれいな店もおすすめしない。できれば長年やっている古めかしい店構えで、できれば小さな店がいいと思う。
その典型がこの”穂里(ほり)”さんだ。年配の老人が一人でやっているお好み焼き屋。
テーブルは4つしかなく、おそらく満席になったとしても20人は入れないのではないか。壁には浅草を物語る写真や、ジブリの鈴木敏夫氏のコメントなどが書かれている。
まずはお好み焼きを頼む。厚めがいいか薄めがいいか聞かれて、おすすめを聞いたら”厚めがいいよ”、というのでそのとおりお願いすると、器のネタを逆さまにして、少してっぺんを平たくしてそのまま3分を3回ひっくり返す。決してソースを塗った面は焼かない。これが東京のお好み焼きだろう。
とにかくおじさんの講釈がいい。特にもんじゃ焼きをたのむと、子供のおやつだった頃のもんじゃについて説明してくれる。もともともんじゃには具がなかった。タレだけ大きな鉄板で、子どもたちが自分の分を確保するために線引きしたそうだ。それが焦げるとおせんべいのようになる。本当のもんじゃはこれらしい。
じっくり時間をかけて、おじさんの話を聞きながら、浅草の話題に耳を傾ける。落語家さんでは2ツ目さんが時々師匠の悪口を言いに寄るらしい。サラリーマンとおんなじさ。決しておしゃべりではないおじさんの話に耳を傾けるのがまた楽しい。
帰りに亀十でどら焼き360円を買って帰る。
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