マルクスとケインズ 東洋経済
人形町の本屋に買い物したとき、とっさに買ってしまった。久々の東洋経済。
「資本主義は生き残れるか」というテーマで様々な角度から短い論文やインタビューが紹介されている。去年の夏に読んだ鍋島直樹氏の『マルクスとケインズの総合』を読んでいたので、このタイトルに目が止まった。そしてコロナ渦で巷はマルクスへの再評価に向かおうとしている。
内容は多岐に及ぶが、かつて我々が学生の頃に学んだマルクスやケインズの残した思想が、環境や格差、テクノロジーなどの面で未来にどのような影響を及ぼすのか、その可能性を探っている。自分が学生だった頃、1980年代後半はまさに日本にバブル景気が押し寄せる頃で、自ら選んだケインズは時代に合わなかった。当時はまさに新自由主義経済が中心で景気がどんどん上向いていた。大恐慌時代に活躍したケインズはマイナーだった。
しかしリーマン・ショックや震災、コロナなどの社会要因で再びケインズに注目が集まることになる。さらにその先、一度はソビエトや中国で失敗した社会主義政策もまた注目されることとなりマルクスが再び読まれているようだ。経済学の分類としては、新自由主義経済と新マルクス主義の間に新ケインズ主義が中間に位置している。
それぞれの権威と言われる的場昭弘氏や吉川洋氏の短い論文に加えて、宇沢弘文教授の「社会的共通資本」を見直そうとする論文も興味深かった。
ちなみにアメリカのバイデン政権が行っている有効需要政策はまさにケインズ的であり、労働経済の専門家である財務大臣のイエレン氏はまさにケインズ的だ。「社会主義なんてくるわけないだろう」という大勢いるかもしれないが、それを愚かと言わざるを得ない。多くの人々が学ぶべき未来だ。
(=^・^=)
★
ブロトピ:映画以外の記事で!ブログの更新をブロトピしましょう!!


