ナイトメア・アリー ギレルモ・デル・トロ☆
だいぶ前になるが『ナイトメア・アリー』を鑑賞した話題。
ロシア語の予告編。
Аллея кошмаров — Русский трейлер (2022)
もうだいぶ出し尽くされたと思うので、遠慮なくネタバレ気味に書くが、そもそもこの映画、このドラマはいったい何を意味するのだろう。
映像の隅々に示される暗示的な映像。冒頭の獣人、そしてホルマリン漬けの赤子。こういうイメージは一体何か?アリーとは迷路。迷路に迷い込んだ主人公はいったいなんだったのか?と考える。
デル・トロ監督は、前作『シェイプ・オブ・ウォーター』のアカデミー賞受賞で、自らの立場を明確にし、彼の思想に集う仲間を大幅に増やし、その人的資産をこの映画に投じたようだ。この素晴らしいキャスティング。ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラがみたび同じスクリーンに並べばそれだけで様々な想像力を掻き立てる。ほかにもおなじみのロン・パールマンや曲者のウィレム・デフォーなどが立ち並ぶ豪華さ。この豪華さを全面に押し出すことで、見る側をより混乱させる。
冒頭の印象的なシーン。何かを引きずる主人公スタン。死体だとすぐにわかる何か。そして荒れ地の家に火を放って立ち去る主人公。このスタンが最初にでくわす見世物小屋の獣人。最後にまさかまさか、その獣人が自分になることなど知る由もないスタン。彼は読心術を学びどんどん豊かになってゆく。何もない貧しい生活から巨富を得てゆくまでと、そこから転落する激しい人生。そして彼の行き着くところは見世物小屋の獣人だった。
返す返すも思うことは、人生は生まれたときから決まっている、という「上流国民/下流国民」の教えにもある通り、富のもとに生まれた者は生涯守られ、貧しい生まれのものは、欲望が肥大化するほど、その転落する度合いも大きいということだ。そして主人公のスタンの父殺し。オイディプス王の神話になぞらえるまでもなく、過去に多くの映画や小説で語られた残酷な運命。父親を憎み殺し、自らが王に君臨すると、父親と同じことを繰り返す愚かな人間たち。『地獄の黙示録』をはじめとするドラマの先には、人間の愚かさを伝えようとする作り手の意図を感じさせる。
世の中では絶えず戦争が続いている。それもまた愚かしい人間を意味していると思う。
ロシア語の予告編を見て自戒していただきたい。
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