教育と愛国 斉加尚代監督

ヒューマントラストシネマ有楽町で『教育と愛国』を鑑賞。キネノートのレビューはこちら。(絶望

公開3日めの日曜日に鑑賞したが、朝10時の回は8割の入りだったと思う。劇場の空気というのは、鑑賞する映画によって差異があると思うが、今回はおそらく賛否両論だろう。

映画が始まる前に、予告編を見るだけで涙がこぼれそうになる。ひとつは『三姉妹』。韓国映画だ。そして『帰らない日曜日』。なんとコリン・ファースにオリビア・コールマンが脇役で出演している。最後に『シング・ア・ソング』。これもまた戦争の側面を描く。この映画館のチョイスはレベルが高い。

さて、本編に入る前に受付にあった本作のチラシに多くの著名人がメッセージを寄せている。久米宏さんの強い賛意に同調する。

そしてこの映画のタイトルの意味も解説されている。この解説で十分に映画の趣旨は伝わっている。
映画の始まりは、70年ぶりに復活した道徳の教科書から。お辞儀と挨拶のしかたが書いてある。何が正しくて何が正しくないか。これを教えるのが教育ではない。自らが正誤を判断できる力を養うのが教育だ。偏ったイデオロギーや宗教を強要するのは憲法で禁じられている。あとの動画にも出てくるが、町山智浩さんは「憲法違反であることを強調してほしい」と添えている。そのとおりだと思う。


映画はある意味で対立的な構造を演出する。安倍晋三が総理大臣になる前と後の比較だ。そして安倍氏に群がる肩力寄りの人物の発言などを丁寧に描く。特に維新関係者はひどい。自説に間違いはないと断じる。ある教師が慰安婦問題の教育について新聞で取り上げられたことを府知事がツイッターで批判するという有り様。これはいったいどういうことだろうか。


このブログなどでも何度か取り上げた『表現の不自由展』についても映画で詳しく描かれている。大阪で展示されることを府知事が否定的に発言し、一旦は会場側が中止を決めたことに対し、裁判所の判断で展示が続行されたシーンである。大阪はまさにロシアだ。ロシアの大統領と同じことをやっているのが大阪府知事であり、大阪市長である。


最後にテロップが流れて、映画が終わる。
終わったあとに、ランドセルから道徳の本が飛び出しているシーンを長く写す。このシーンに意味もなく(ということもないかもしれないが)胸が苦しくなる。小さな子どもが背中に背負う大きなランドセルのなかに日本の未来がある。その未来には、かつて大日本帝国が戦争に突き進んだときのような教育勅語から尋常小学校だった時代の教育が詰め込まれているのだ。これを見過ごしていいのか、本当に。



【博士と町山※2日連続配信中!1日目】「教育と愛国」公開記念!斉加尚代監督と語る日本教育の危機!/学問の自由を犯す政治の介入/世界に広がる民主主義によるファシズム/日本はどんどんロシア化している?


個人的にこの映画を強く支持する。
支持はするのだが、善悪があまりにもはっきりし過ぎていて、それが対立構造に発展することも懸念している。そのことが今後の活動や表現の妨げにならないか心配だ。それほど日本は危機的な状況にあると思う。
安倍晋三がどれほど危険な人物であるかは就任した頃から誰もが述べていることだが、デフレの影響もあってメディアが政権に阿る姿勢にシフトしたため、歯止めが効かなくなってしまった。
この映画と、この映画以外でも、多くの表現が封殺されることがないことを心から祈る。


映画の中で、ドイツのファシズムにたいする教育について言及する教師の姿勢が胸を締め付ける。日本がこのようになってしまった原因や理由をもっと掘り下げてほしいとも思う。


この国はもう終わっている。死んでいる。死んだ国を再生させることが本当にできるのだろうか。そして誰がそれをやるのだろうか。


去年の9月に拾った記事

こちらは今年5月25日の中央日報



余談だけど、これもなかなか興味深い。





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