鮨主水 山陰旅⑮、「蘇州、深圳」
足立美術館を経て、出雲のホテルに向かうべく列車に乗る。
ところが・・・
出雲で予約したと思っていた同名のホテルが実は松江のホテルだったことが明らかになる。同じ名前のホテルで、勘違いしていたようだ。折り返しのいい時間の列車がなくて、仕方なく折り返しの特急やくもの指定席を予約してしまった。
これもまたいい経験。こんなことがなければ特急やくもは外から見るだけだったはずだ。大晦日といい元日といい、時間が思うようにならない旅ではあったが、これもまた楽しい経験。ベトナムで財布とパスポートを盗まれたことを思えば、どうということもない。
松江のホテルをチェックインして食事に向かうが、正月2日目の繁華街もまだお休みが多かったが、たまたま行きがかった寿司屋さんのカウンターが空いていた。
お通し。
カウンターの向こうにいる太めの大将はとても気さくで話しやすい。
ネタがずらりと並ぶ。
五種盛りをお願いする。かなりボリュームがある。
地元のと炙った鶏や鉄火巻などをお願いする。鉄火巻の長さにばらつきがあるところがいい。店内はしっちゃかめっちゃかで、若いバイトさんが注文を間違えるなど大混乱。お正月だからしょうがない。
われわれがのんびり過ごす間、次々にお客さんが出入りして、予約客も含めてさばくのに苦労していた。さすがに外国人はお断りしていたようだ。
店の奥に徳川家康の「人生訓」が見える。とてもいい言葉が並ぶが、こうした日本人的な姿勢というのは、いまもわれわれの中に綿々と注がれている。いい言葉ではあるが、これをすべて受け入れるかどうかは悩ましい。
のんびり過ごして店を出る。とても忙しそうで大変だったが、食事にはそれなりに満足した。
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「深圳日本人男児刺殺事件」はBBCで取り上げられ、日中両国のナショナリズムが衝突しあう緊迫した状況の中、蘇州で起きた事件の死刑判決が下される。この事件に冤罪懸念はないのだろうが、半年あまりで下されたスピード死刑判決にも空恐ろしさを感じる。両国の政府は、これらの事件を政治問題にしたくないだろう。時事通信はこの事件の根底に教育があることを示している。










