ブルータリスト、Макрон(軍隊派遣)
「ブルータリスト」は、主人公のトートを演じたエイドリアン・ブロディがアカデミー主演男優賞を獲得ブラディ・コーベット監督作品。「ブルータリスト建築」というジャンルがあることすら知らなかったのでとても新鮮な映画だった。
命からがらハンガリーから逃げてきたユダヤ人がアメリカという狂気の国で力を持ち破滅してゆくまでのドラマ。壮大なドラマは3時間を超える。途中のインターミッションにも意味がありそうだ。とにかくこれまで見たことがないような刺激的な映画だった。見たこともないというと大げさかもしれないが、キューブリックやタルコフスキーやテレンス・マリックの映画に触れたときのような違和感。ひとつひとつのシーンはとてもわかり易く意味不明なシーンはどこにもない。
ユダヤ人、アメリカ、建築家とパトロンとその家族、妻、これらの個体が意味するものはなにか。もちろん反戦とか格差とかという簡単なイメージで映画の人物たちを結びつければそれは結論として間違いではない。しかし何かが違うような気もする。
逆さまに映される自由の女神や建物の天井から差し込む十字架。この映画がトリッキーなのはこれらの仕掛けが必ずしも筋書きを意味しているとは限らないところだ。とにかく美しい建築物をつくるために主人公はあらゆる反発を削ぎ落とす。久しぶりに再会した妻とも意思が通わず、どんどん独裁化してゆく。
The Brutalist could have been his Ozymandias: a colossal shattered wreck. Instead it’s being hailed as one of the year’s finest films.「ブルータリスト」は彼にとって『オジマンディアス』、つまり巨大な破壊された残骸になる可能性があった。しかし、その代わりに、同作は今年最高の作品の 1 つとして称賛されている。彼は自分の主張を貫き、反対派が間違っていることを証明した。
コーベット監督がガーディアンのインタビューに応じている記事を読むとこれらの違和感が薄っすらと伝わってくる。この映画を撮り切るまでのコーベットの戦いがそのまま映画のドラマと重なるようだ。
町山智浩の映画特電『ブルータリスト』にモヤモヤする人のために
The Brutalist | Official Trailer HD | A24
【感想・考察】『ブルータリスト』感想レビュー:観る者を圧倒する…超弩級・映画構造物──記念碑《モニュメント》【警告後ネタバレあり】
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ウクライナにイギリスとともに平和維持軍を送る合意をしているフランスのマクロン大統領は、ロシアとは一線を画し圧力をかける意思を表明したようだ。トランプが今週にもプーチンと面会するという噂もある中、ウクライナ情勢をめぐるEUの動きも見逃せない。和平はまだ遠そうだ。
◆マクロン大統領、西側諸国が軍隊を派遣したいウクライナの都市を名指し
