ディスクロージャー・デイ 「国家は隠蔽する」

dalichoko(ダリチョコ)

ディスクロージャー・デイ(KINENOTE)



偉大なスピルバーグがこれまでに作ってきた数々の映画が、ここに集約されているように思えました。「未知との遭遇」「E.T.」「A.I.」「マイノリティ・リポート」「宇宙戦争」。さらに、製作に携わった作品まで振り返ると、この映画へと向かう彼の問題意識が見えてきます。


それは、単に「宇宙人は存在するのか」というSF的な問いではない。80歳を目前にしたスピルバーグが、いま描こうとしているのは、宇宙人の存在を隠蔽しようとする政府、つまり国家の秘密と権力の問題なのではないでしょうか。


そう考えると、「ジョーズ」で人喰いザメの存在を隠そうとする市長の姿から、「ジュラシック・パーク」、「ミュンヘン」、「ブリッジ・オブ・スパイ」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」まで、スピルバーグ作品の数々が新たな意味を帯びてきます。


「ディスクロージャー・デイ」は、選ばれたふたりの人物が、宇宙人と交流する能力を持っているがゆえに国家から狙われる物語です。そして、地球に存在する宇宙人を国家の監視から守ろうとする組織と、政府との対立が始まる。


エミリー・ブラントが素晴らしい演技を見せ、最後にテレビカメラに向かって「Listen」と語りかけるシーンで映画は幕を閉じる。この先に何が起こるのか。観客の想像に委ねることで、スピルバーグが描こうとした問題が、かえって強く印象に残るのではないでしょうか。


さらに、スピルバーグのフィルモグラフィーには、戦争を題材にした作品も数多く並びます。「1941」、「太陽の帝国」、「オールウェイズ」、「シンドラーのリスト」、「プライベート・ライアン」、「ミュンヘン」、「戦火の馬」、「リンカーン」。


こうして作品を並べてみると、彼がSFというモチーフを通じて未知の存在を描くだけでなく、戦争、国家権力、そして権力による弾圧や情報の隠蔽という問題にも、長年にわたって切り込んできたことが浮かび上がります。


長年にわたってスピルバーグの映画を、ほぼリアルタイムで見続けてきた者として、あらためて彼のフィルモグラフィーが持つ意味を考えさせられる作品でした。


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