ボイリング・ポイント/沸騰 フィリップ・バランティーニ☆
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ははぁ・・
この映画、飲食業で働いた経験のある方なら切実な思いがする内容だ。とてつもない迫力で一気に見せる。このわずかな時間、90分の間に社会の底辺で起きている恐ろしい現実が示される。ある種の恐怖映画。自分も喫茶店でバイトしていた頃、その裏側で様々なドラマが展開していたことを思い出す。恋愛感情が生まれたり、対立関係が生じたり。叱られたり怒ったり。忙しくても暇でもなぜかギスギスした厨房が思い出される。
話しの筋書きは説明不要だ。ただただレストランの厨房を中心にそのままが描かれているだけだ。ほかに何もない。冒頭、町の喧騒を背に携帯で電話しながら歩く主人公。別れた妻に誤っているらしい。家族に対する引け目。それは多忙な仕事からくることをここからくっきりと示す。
この厨房にはあらゆる民族、あらゆる人物が集う。このあたりは日本ではわかりにくい。白人と黒人、男性と女性、上司と部下、資本家と労働者、店と客。思えばこれほど窮屈な空間があるだろうか。この得体のしれない複雑で窮屈な環境に「食」という安らぎを求める矛盾。人は常に欲望とその矛盾を抱えて社会に埋没しているのだ。
黒人を差別する客。自傷行為をするケーキ職人。メディアの恐怖。借金。薬物依存。アレルギー反応。映画にはこれだけたくさんの情報が覆いかぶさっている。
こうした矛盾点の最終形が「沸騰」する、という映画。ドキュメンタリーのようでまるでそれを感じさせない演出。演じる側の緊張感がとてつもなく高い状態にある中で、その緊張の糸がいつ切れるかもしれない恐ろしさ。
映画を見終えると、どっと疲れが出る。そんな映画だ。
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