逃走(2025)、”104% on”(年金が吹っ飛ぶ!)

dalichoko(ダリチョコ)


66.5kg VOYAGE あずりな展2025 - #ダリチョコ の映画とグルメ



3月の祝日に85歳になった足立正生監督の新作「逃走」を鑑賞。「Revolution+1」からちょうど2年。指名手配中だった桐島聡が死に際で実名を明かして亡くなる。東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバーだった彼の49年の逃走生活を描くフィクション。


山奥で三人のメンバーが爆弾訓練をするシーンから始まり、三菱重工事件で多数の死者を出す失敗(彼らは人を殺すことを目的としていなかった)を経て、指名手配となる。


若い頃の桐島と、現在の桐島、そして死に際で自分の本当の名前を明らかにする桐島まで、時間軸が行き来する。ときに若い頃の桐島と現在の桐島が道端ですれ違い会話したり、僧侶となった桐島が座禅する桐島と議論するシーンなどはとても見応えがある。


本名を隠して孤独に生活する桐島がエリ(中村映里子さん)と出会う。孤独な桐島が最も気の許せる存在だが、桐島が具合を悪くするとき、この女性が結婚詐欺師ではないかという噂を耳にしてしまう。この残酷さ、救いのなさ。



笑顔の桐島が指名手配写真を見て、元気をもらったという人もいて、この皮肉に我々は何を考えればいいのだろうか。足立正生監督は、桐島が晩年過ごした地域で取材をするが、誰も話そうとしなかったと言っている。しかし何度か足を運ぶうちに居酒屋で同席した人たちの話しが映画にも反映されているらしい。黙って偽名のまま死ぬ道もあったはずなのに、名前を示したことで桐島が何かを伝えようとしたのではないか。


足立監督は「逃走を闘争と捉えていたのではないか」という。つまり、自分は逃げることで「戦った」ことを広く伝えたかったのだと。アイヌと琉球を支配し、中国や朝鮮半島や東南アジアにまで侵略の手を広げたこの国と戦った桐島が震災やサリン事件や、中東やロシア大陸で繰り広げられる戦争に武器を輸出する企業を爆破する行為は、資本主義そのものと帝国主義に対する挑戦だった。


これは、現代に突きつける即時性のある行為だと思う。そして言うまでもなく、この主人公は足立正生監督ご自身である。



この映画に使われた山下洋輔トリオの音楽も極めて効果的だったと思う。


山下洋輔トリオ/DANCING古事記 [Official Trailer]



ラジオJAG vol.124「映画/逃走」浅野典子× 足立正生×宮台真司




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ホワイトハウスは、中国に対する関税が水曜日に少なくとも104%に引き上げられると発表


トランプ関税延期の期待もあったが、アメリカが中国に104%課税を引き上げると宣言したことを受け、世界市場は引き続き大暴落に向かっている。しかし中国は関税戦争から撤退するつもりはないらしい。町山智浩さんは、これによってアメリカの年金(老後資金)が吹っ飛んだと語っている。もはや「逃走」もでいない。


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