The Art of BANKSY― 「私たちは、まだ笑っていられるか?」

dalichoko(ダリチョコ)


「BANKSYと焼き鳥とレインコートNZ初日ー波乱と再会の一日」 - 



オークランド初日。朝に空港へ到着し、軽い食事(…いや、そんなに軽くなかったかもしれません)をすませたあと、日本のダイソーで買ったレインコートを羽織って、激しい雨の中を「The Art of Banksy」が開催されている Aotea Centre へ向かいました。



Aotea Centre は立派な複合施設で、アート展示だけでなくミュージックホールなども備えた文化の拠点です。展示会場は建物の地下にあり、そこを目指します。



バンクシーの作品は、日本での展示も何度か訪れましたが、今回はその集大成とも言える内容。過去に見た作品がいくつも登場し、彼の表現の進化と一貫性を再確認することができました。



印象的だったのは、風刺の中に込められた痛烈な社会批判。たとえば、イギリスの国会議員をすべてサルに描いた作品では、少なくとも“寝ている議員はいない”だけまだマシ、という皮肉が込められているかもしれません。



また、ガスマスクをした少女の足元には、素顔のまま群がるネズミたち。現代社会では、人間こそが“ガスマスクなしでは生きていけない”存在になってしまったということでしょうか。



「Destroy Capitalism(資本主義を壊せ)」と書かれたTシャツを買うために行列をつくる人々の姿にも、バンクシーらしい矛盾への視線が光ります。



彼の活動は、もはや“アート”という枠を超えて、戦争や社会そのものへの問いかけ。戦場に赴き、壁に絵を描くその行動が、現地を観光地化してしまうほどのカリスマ性を持っていることにも驚かされます。



「自分に力があることに気づかないことが、それを失う最初の一歩だ。」というメッセージのように、バンクシーは我々人間の傲慢さや盲点を、静かに、しかし鋭く突いてきます。



今回の展示では、作品そのものだけでなく、それを見つめる人々の表情も印象に残りました。年齢層は幅広く、皆それぞれの作品に真剣に向き合っていました。



展示の出口には、バンクシーらしい一言が掲げられていました。


“The lifestyle you ordered is currently out of stock.”

(あなたが注文したライフスタイルは、現在品切れ中です。)



痛烈で、でもどこかユーモラス。やはり、彼の表現には多くの示唆が詰まっています。


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