This is I 「歌わない場面で泣かせる」
はるな愛さんは名古屋に住んでる時、直にお目にかかったことがあるんですよ。商業施設のイベントで大々的にはるな愛さんが宣伝されていました。間近で見るとすごくおきれいでした。だからこそ、この映画は衝撃でした。
はるな愛さんの美しくてコミカルな印象だけで見てきた者として、この映画は大きな衝撃でした。そしてこの映画は、昨年感動に震えた「ブルーボーイ事件」の続編ともいえる映画です。
幼い頃(子役の子がめちゃカワイイ!)からアイドルになりきっていた愛さんですが、まわりからの逆風と、なにより家族の不理解を乗り越えるまでが大きなドラマです。愛さんが売れるようになって、母親(木村多江さん)と再会するシーンはもう感動で涙をこらえることができませんでした。ミュージカル映画なのですが、こういう肝心なシーンで敢えて音楽を使わない(あるいは控えめにする)演出は素晴らしいと思います。
監督は「Winny」の松本優作さん。あの映画も国家が個人を弾圧する話しでしたが、この映画もまた日本という社会が個人の尊厳を隅に追いやる世界を描きます。
何よりも、斎藤工さん演じる和田医師の演出がすごいです。愛さんを「輝いている」という一言で勇気づけるだけでなく、愛さん以降、600人を超える手術をした人物のプレッシャーも描かれます。愛さんと和田医師が、世間の強く厳しい逆風をどれだけ苦労して乗り越えてきたかが描かれるんですね。称賛と重圧は同時にやってくるものです。
われわれ昭和世代にとっては、映画に使われる多くのヒット曲もうれしいです。思わず口ずさんでしまうアイドルたちの名曲もまたこの映画の魅力です。さらに、スケールの大きなミュージカルシーンは圧巻です。ボリウッド映画にも引けを取らない迫力。ミュージカル好きのわたくしにとってはたまらない作品です。日本映画で、ここまで振り切ったのを久々に見た気がします。
できることなら映画館の大きなスクリーンでこの映画をまた見てみたいですね。

★
★

