日経新聞も「シン・ウルトラマン」を記事にしている。

映画「シン・ウルトラマン」のどこが「シン」？

作家の朱川湊人さん。

リメークや実写化に賛否はつきものだが、今作は「子供時代の僕らが説得され、ほれたウルトラマンはこれだった」という映画に仕上がっている。好き者たち自身が見たくて仕方がない空想特撮を追求した点で、まさに真（本当）のウルトラマンと言えるだろう。

映画評論家の切通理作さん。

ウルトラマンは人間と外星人のはざまに立つ孤独な存在として描かれ、彼の目を通して人間の姿がやや突き放されて捉えられる。どう太刀打ちしてよいか分からない不安や諦念、後戻りできない現実に向き合う意志。作中人物の心情は震災からの復興もままならぬ中、コロナ禍で閉塞し、他国の戦争にやきもきさせられているわが国の観客からしても空々しくないものになっている。

この映画で最も強烈なインパクトを与えたのは、メフィラス星人だ。恐ろしい外圧で攻めてくるタフネゴシエーター。しかし彼は、ふと消えてしまう。ゾーフィ（ゾフィ）が現れた途端消えてゆく。このしたたかな存在に日本は翻弄される。古いことわざを繰り返し攻めてくるメフィラスこそ、日本を取り巻く様々な存在として浮かび上がってくるように感じる。
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