逆転のトライアングル リューベン・オストルンド監督
前作「ザ・スクエア 思いやりの聖域」でパルム・ドールを受賞したスウェーデンの社会主義者リューベン・オストルンド監督のこの最新作もまた2作連続でパルム・ドールを受賞した。
TRIANGLE OF SADNESS (2022) - Official International Trailer
群像劇だが、いずれの人物も愛らしい。冒頭のシーンで原題の”Triangle of Sadness”の意味が示される。男性モデルの品定めの過程で眉間にトライアングルを作るとかっこよく見える、というセリフが出てくる。この後は眉間にシワとは無縁の人々による豪華クルーズ船のドタバタ劇。
見覚えのある俳優はほとんど出てこない。唯一ウディ・ハレルソンが出てくるのだが、中盤のとんでもないシーンのみ。ここは笑うしかない。
細かい話題はともなく、この豪華クルーズに出てくるイギリス人のご夫婦は注目に値する。体が不自由で喋ることができない女性に遠慮なく応えを求める。この二人が老後を楽しく過ごしているのは「世界が平和のために絶対必要なものを作ってきた。」からだという。それは何か?手榴弾や地雷。その自慢話は笑えない。この船がテロに沈没させられるシーン。船に投げ込まれた手榴弾を拾って御婦人が「これ、うちの製品じゃないわねぇ・・・」
・・・
ここから無人島で展開することになってからは、主人公が入れ替わる。全ては金でしか解決できない金持ちは、無人島で何の役にも立たない。役立たずなのに要求だけはする。夫人の死体を抱いて、泣きながら指輪を抜くロシアの富豪も笑えない。この愚か者の集まりで唯一生きるための命綱は、船で清掃係をしていたアビゲイルだけだ。
アメリカの共産主義者と、プーチン政権に取り入って大金持ちになったロシアの資本主義者は意気投合する。先日鑑賞した「国防挺身隊」も然りだが、この際主義主張の衝突に意味はない。右も左もお互いの主張に変わりはなく、彼らは衝突したくて衝突し、兵器を作れば金になるから作っている。人を大勢殺せば儲かるのだ。
オストルンド監督は、これらの作品は極めて人間的なドラマでありながら、抗えない資本主義の終焉を露骨に示すものだ。
#逆境の資本主義 には資本主義は民主主義ではないことを立証している。もう資本主義は終わっている。このままでは。
https://t.co/CuDvHaOClB— dalichoko (@chokobo88428241)
キネノートのレビューはこちらから。 「逆転のトライアングル」
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