犬王 湯浅政明☆
まずは原作者の古川日出男さんのインタビューが読み応えある。
「ある表現者の架空の自伝という思いで書いた」
劇場アニメーション『犬王』新特報(60秒) 2022年初夏全国ロードショー!
そして『犬王』。
いままで見たこともない世界。平安時代とロックンロールミュージカル。このとてつもない世界を美しい映像で綴る壮絶ワールド。この映画に解説は不要だ。見るしかない。
ところが残念なことに、この映画について嫌悪感を持たれる方も多いらしい。その気持ちもわからなくはない。多くの人は、自分がかつて見たこともない「醜いもの」は目を背けたくなる。『エレファント・マン』も然りだ。そしてその醜いものに巡り合ったときの自分こそ、本当の自分だと思うべきだ。受け入れるか拒絶するかは人それぞれ。
映画の大半はロックシーンだ。これをゲテモノ趣味だとか悪趣味だとは言う人の気持ちもわかる。しかしそれをその感情のまま葬り去ることができるのだろうか。この映画はれっきとした「歴史修正主義批判」の映画であり、現在の日本の政治を室町時代に置き換えて、痛烈に批判しているのだ。『オフィサー・アンド・スパイ』然り、『教育と愛国』然り、映画は多くの場合常に政治を背負っている。どんどん塗り替えられてゆく歴史を、この映画の主人公犬王は醜い姿を進化させることで阻止しようとする。
この映画では、足利義満が露骨に歴史を塗り替えるよう命令するシーンがある。これを日本の大昔の時代のこと、と置き去るとしたらそれは愚かとしか言いようがない。これはいま、たったいまのことを描いた映画だ。日本の侵略戦争もそのうち教科書からなかったことにされてしまう。少なくとも慰安婦問題はほとんどの教科書から消された。そのことは『教育と愛国』に委ねよう。しかし残念なことに、こうした現象は世界で同時多発的に起きているらしい。世界がともに、過去の教訓を塗り替える日が続いてゆく予感がする。
この圧倒的な大傑作映画を目の当たりにして、極度の絶望感と、その映像の見事さに口が塞がらなかった。まさにあんぐり。
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