#ダリチョコ の映画とグルメ

しょーもないブログです。I am stupid anytime.

ニュージーランド Today

ニュージーランド学会というところから2019年に発刊された本を図書館で借りてきた。
簡単に要約すると、ニュージーランドの紹介本である。ただし、旅行用とかではなくて、ニュージーランドの細かい事情を整理している本だ。

Ka mate, ka mate!  私は死ぬ! 私は死ぬ!

ka ora! ka ora!      私は生きる! 私は生きる!


All Blacks Haka with translation
ニュージーランドを象徴するカマテだが、これは戦いの儀式であって、ほかにも様々な種類がある。ここでいう「死ぬ」とは、死に物狂いで戦うという意味だ。日本の特攻隊とは全くニュアンスが違う。


ニュージーランドの国歌は、この国に事情をよく説明している。

GOD DEFEND NEW ZEALAND - (with lyrics) - New Zealand National Anthem - FULL LENGTH
1番と2番に分かれていて、2番はマオリ語で歌う。オールブラックスの試合でハカと国家を共にすると、全てが等しくなるような気がする。なんという包容力か。


この国の歴史も、大英帝国が世界中を植民地化する大航海時代に見つけられた国。原住民であるマオリとの共存への道がこの国の在り方に大きな影響を及ぼす。この本で何度もでてくる「ワイタンギ条約」によるマオリとイギリス王国の条約であって、マオリがイギリス国民としての権利を認められたものだ。その後の歴史でこの国のイギリス支配は大きく色合いを変えるのだが、いまもって国王はイギリス国王、すなわちチャールズ国王がニュージーランドの国王でもある。だが「君臨すれども統治せず」の言葉どおり、イギリスはこの国の政治には関与していない。


この国の国民は、お金や経済に価値を求めていない。圧倒的な自然環境と遺伝子組み換えなどをよしとしない自然国家で、とにかく自然であること、あるいは自然を軸に生活することが何より価値のあることだ。例えばこの国に原発はない。しかも核保有を法律で禁じている。ちなみに日本の「非核三原則」は閣議決定のままだから、いつでも覆される可能性があるし、実際に国民の知らないところで核持ち込みがあるような報道も目にするが、ニュージーランドでそれはあり得ない。水力と地熱による発電を中心に政治も産業も協力しあっている。

環境政策については特に注目できるのが「環境裁判所」。この裁判所は、単に原告と被告の訴えを聞いてジャッジする機関ではない。必要があれば現場に赴いて、環境を守るために調査をしたりする。「森の巨人カウリを守れ!」や「マナポウリ湖を救え!」など、全国民と観光者を巻き込んで自然環境を守るべく、国を挙げて様々なキャンペーンを張る。こうしたムーブメントがスタンダードなのだ。

去年、豊島に向かったとき、「豊島事件」についてお話を聞いたが、日本は経済成長と引き換えに、様々な自然環境を疎外し滅ぼしてきた。何より、人間の感性に「使い捨て」感覚がまん延し、断捨離という言葉を優先してゴミを自然に廃棄させる愚挙を続けてきたのである。そのことを思うと、この国の政策は経済を軸にしていない。ほかにも、ワイタンギの契りをベースに、人種間、性別間の隔たりのないよう配慮されている。LGBTについても同様。そして女性のリーダーが活躍できる土壌がある。ありとあらゆる面で日本とは違う。



ニュージーランドTODAY
ニュージーランドTODAY
春風社

ブロトピ:ブログ更新!記事内容更新!はこちらへ!


にほんブログ村 グルメブログ 日本全国食べ歩きへ

にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へ

にほんブログ村 その他スポーツブログ スポーツ好きへ

ブログランキング・にほんブログ村へ


×

非ログインユーザーとして返信する