#ダリチョコ の映画とグルメ

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バカと無知  橘玲著

橘玲さんの本は痛い。

元首相を射殺した人物の孤独。彼はほとんど社会と接点のない人物だった。このあたりのリードから興味深い展開となってゆくのだが、橘玲さんが連載されているコラムを1冊にまとめたもののようで、橘玲節がさく裂している。


「正義は最大の報酬」という章では、”自分より優れた者は「損失」で、劣っている者は「報酬」だ”と位置づけて、人間が古来石器時代からの集団活動で、群れからはじかれない程度に自己主張しようとする、すなわちSNSで匿名の書き込みで炎上する現象をまとめている。


PARTⅡ「バカと無知」という章で衝撃的なのは、下位4分の1は自分のスコアを高めに予想し、上位4分の1は自分のスコアを低めに予想する。自分をわかっていない下位の人々を「勘違い」の集まり=バカ、と定義づけしているようだ。異論はない。自分も下位4分の1の類なので、よくわかる。では上位4分の1が全て正しい行動をとるかというとそうでもなく、上位者は頭がよく謙虚なので、時として下位者の話しを聞き入れて間違った選択をする場合があるという。これも納得だ。むしろここでいう上位者を独裁者に置き換えて、「バカに引きずられない意思決定」をすることが合理的だという主張だ。これは教師と生徒の関係に顕著で、かつてのは「身分」の違いによって親のことなど気にせず叱り飛ばすことができた教師は、いつしか生徒と「友達」関係になり、叱ると子供の自尊心が傷つき攻撃的になり学校が崩壊する、という悪循環を示している。ピグマリオン効果についても言及している。


この「自尊心」についてもさまざまな事例で掘り下げる。例えば他者をこきおろし自分が優位にたてば「自尊心」を高める。SNSで炎上させるのも、自ら自尊心を高める効果があるようだ。日本人が世界でも最も自尊心が低いのは、周囲の反応を気にするように教育されているからだ。


「差別と偏見」の問題も、この本では常識を破壊する。「信頼の裏に刻印された服従」という箇所で”アイヒマン実験”を紹介し、権威への服従はヒトの普遍的な傾向なのではないかと仮説とたてている。「他者の信頼を裏切り、権威に服従して自分の利益を最大化する」ことで人類は進化してきたのではないかと説いている。ちょっとわかりにくいが、他者を裏切るという部分に説得力がある。



よくいう陰謀論もこれらの説に乗っている気がする。炎上もなにもかも、もともと人には誰かを引きずり下ろすことで自尊心を高める性質があるという。古来からヒトは群れからつまみ出されないように、適度な争いの中で他人をおとしめ自尊心を高めて生きてきたらしい。そして生まれながらにしてヒトの性質には優劣が決まっていることも間違いないらしい。


このことからもし優生学的に自分が他人より劣る、と考えるといたたまれなくなるものだが、この本はそのことをあらゆる実験データなどをもとに突き付ける。とてもじゃないが「やってられない」と思いたくなる。つまり、これを読んでいる人はみんな「バカで無知」ということになるわけだ。



アル中や精神病や犯罪は遺伝する、という話しから、

「自己家畜化」という概念を解説し、


ベックの「
危険社会
」を引用して「下級国民」をカテゴライズするという暴挙に出ている。



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