#アンメット Yuki Saito監督ほか
杉咲花さん主演の「アンメット」を見終える。「市子」ですごい演技を見せた杉咲花さんだが、今回もなかなか迫力ある演技だったと思う。
なにが素晴らしかったかといえば、やはり元脳外科医がアシストしたこともあって手術室のシーンがリアルだった。かつての映画やドラマのような劇的な演出を避け、極めてリアルにオペシーンを見せる。マスクをかけた医師や看護師が目線でサインを送り合う空気。なにより執刀医の目力の強さ、若葉竜也さんや杉咲花さんの強烈な演技がみものだった。手術をすることが執刀医だけでなく、サポートするスタッフがあって成立することを意識付けする。記憶を失ったミヤビが手術したあと、三瓶がミヤビに「このシーンを忘れないでください。」と伝えるシーンは感動的だ。
記憶障害を背負う脳外科医、という設定だけで面白いのだが、さまざまな障害のある患者さんに尽きそうミヤビと個性的な医師仲間、そして病院経営をめぐる疑獄なども折り重なり、かなり見応えのあるドラマだった。特に演出面では、長回しのショットを多様し役者にワンカットで演技を求めていると思しきシーンがいくつかあって、テレビドラマではあまりみかけないシーン、普通だったらNGとなるシーンをそのまま採用している点がユニークだった。これはこれでアリだったとは思うが、苦し紛れの演出だった可能性も否めない。
井浦新さん狙いで見始めたドラマだったが、医大を運営する会社の会長役を演じた酒向芳さんや、看護師長を演じた吉瀬美智子さんの存在感が光っていた。この類のドラマでは、悪役や目の敵にされる役の存在がポイントだ。
麻酔医を演じた野呂佳代さんも手術室のシーンで目力を発揮するひとりで、彼女の目線の先で様々なドラマが展開する。
ほかにも1話限定で見違えるようにふくよかになった池脇千鶴さんや、完全に記憶を失った画家を演じた加藤雅也さんなど、著名な俳優が時々でてきて驚いた。しかし何より、主人公のミヤビを演じた杉咲花さんの存在感は強烈だ。どうも彼女をとりまく周辺の俳優が、杉咲花さんの空気に吸い込まれるようだった。彼女を目の当たりで感極まって涙するシーンが何度もあるのだ。セリフを噛んだりするシーンをそのまま使うシーンもそれだろう。
テレビドラマをあれこれ評価するのは意味がないが、それなりの工夫がされていて見応えあるドラマだったと思う。
ただ、最後にメロドラマとして延々と泣かされるシーンを続けたのにはがっかり。これはテレビなので仕方ないのかもしれないが、この最後は興ざめだった。ドラマ自体が全体として魅力的だっただけに、余分なシーンで印象を悪くさせる。所詮日本のテレビドラマはこのレベルだとがっかりさせた。
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