既知との遭遇①ー既知というゴミ

dalichoko(ダリチョコ)

渋谷公園通りギャラリーの展示は、ほぼ欠かさず、しかも何度も鑑賞させていただいています。行政が芸術に力を入れる姿勢にも敬意示したいですし、この「アール・ブリュット」という概念が素晴らしく、いつも心を揺さぶられます。



今回の「既知との遭遇」は、スピルバーグの「未知との遭遇」を連想させますが、この展示の前が「未知なる世界と出会う」という企画だったので、連続性がありそうです。サブタイトルは「自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」。ブリコラージュとは、簡単に言うと「寄せ集め」という意味だそうです。


まずが嶋暎子さんの作品。



展示室の一番目立つ場所に飾られる巨大なキャンバス。「ニッポン国 おかんアート村」を思い出します。



近づいて見ると、都市とゴミの写真が交錯しています。



これらはいずれも切り絵なのだそうです。つまり日常の広告チラシを切って貼り付ける。



すごい迫力です。「スクラップ・アンド・ビルド」という作品こそが大きなテーマではないでしょうか。都市で次々に建てられる建物が食品などと一緒にどんどん捨てられてゆく。


続いて、納田裕加さんの作品。「のうたま」という作品群。



一見シンプルな作品に見えますが、実はこれ、アトリエなどで廃棄される糸や布の切れ端を拾い集めて作られた作品なのだそうです。どの作品もそうですが、その作品が作られるまでの動機と過程があるはずです。この作品ひとつ見ても、このギャラリーのコンセプトとテーマが伝わる傑作です。素晴らしいです。


鶴川弘二さんの作品も興味深いです。



赤い点はインクの染みで、点と点の間に意味が込められています。



「おかあさんれすか」の文字に胸が痛くなります。母性を失った子供の言葉のように感じます。



作品の向こうから作者の声が聞こえてくるようです。

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