「叛逆のサウンドトラック」 We Insist! プロパガンダとして利用されたジャズ

dalichoko(ダリチョコ)

沖縄では、基地問題をめぐる議論が続く一方、今回の県民の選択は、基地の撤去よりも経済を重視した結果とも受け取れます。


その一方で、日本はアメリカの軍事政策をこれまで以上に支える方向へ進んでいるようにも見えます。


中国側からは、こうした動きに対して複数回にわたり抗議が行われ、最近も日本に書簡を送り、改めて厳粛な立場を表明したと中国・百度が報じています。


さらに、鹿児島では米軍の中距離ミサイル発射装置「タイフォン」の配備をめぐり、米空軍のC17輸送機が海上自衛隊鹿屋基地に再び飛来したと報じられています。


・中国はこれまで複数回にわたり日本に対し強い抗議を行い、最近も日本に書簡を送り、改めて厳粛な立場を表明した。(百度)


・中距離ミサイル発射装置「タイフォン」到着か――米C17輸送機、海自鹿屋基地に再飛来 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞デジタル


こうして現在のニュースを並べてみると、日本とアメリカの軍事的な結びつきは、いま突然始まったものではないことに気づかされます。


アメリカが他国に対して政治的・軍事的な影響力を及ぼしてきた歴史は、もっと古くまでさかのぼります。そして、その影響力は軍隊や兵器だけではありませんでした。


音楽さえも、その道具になっていた。そんな歴史を、ジャズを通して描いた映画があります。


「叛逆のサウンドトラック」です。




ドキュメンタリーというと、ナレーションなどで映像の意味を具体的に解説したり、作り手の意見を織り込んだりする作品が多く、とてもわかりやすいものです。


ところが、この「叛逆のサウンドトラック」は、まるでミュージカル映画のように音楽を全面に流し、客観的なナレーションをほとんど排した、とても難解な映画でした。


まず、アフリカ大陸とコンゴの歴史を知らなければなりません。



コンゴという国が、植民地支配と分断の歴史を背負った国であることを理解したうえで、映画のドラマを追いかける必要があります。


では、コンゴとジャズには、いったいどんな関係があるのか。


ここが、この映画の最も難しいところです。


結論からいえば、「アメリカがアフリカ大陸に仕込んだプロパガンダがジャズだった」という話なのです。これだけでも、かなりわかりにくいですね。


1960年、アフリカ各地で独立の動きが相次ぐなか、コンゴでは若き首相パトリス・ルムンバが、アフリカ諸国の連帯と統一を目指そうとしました。



しかし、国連でアフリカ諸国の存在感が大きくなることを恐れたのが、冷戦下で対立していたアメリカとソ連でした。とりわけアメリカにとって、ルムンバがソ連側に接近することは大きな脅威だったのです。


そしてルムンバは殺されます。


この映画が描くのは、そんなコンゴ情勢に対して、ジャズ・ミュージシャンたちが起こした「反逆」です。



当時、ルイ・アームストロングらアメリカの人気ジャズ・ミュージシャンたちは、アメリカ政府の文化外交の一環としてアフリカ各地に派遣されていました。しかし、彼ら自身は自分たちが政治的なプロパガンダに利用されていることを十分に理解していなかったのかもしれません。



それでも、アフリカで暮らす同じ黒人の人々と出会い、音楽を通じて連帯していく。


一方、コンゴの独立と統一をめぐる政治の裏側では、ベルギーをはじめとする旧宗主国の影響力が残り、国連も複雑な立場に置かれていました。


このあたりを見ていると、以前観た「誰がハマーショルドを殺したか」が頭をよぎります。国連事務総長ダグ・ハマーショルドの搭乗機が墜落した事件も、コンゴ情勢と無関係ではありません。



そして映画の冒頭とラストで流れる、マックス・ローチのドラムとアビー・リンカーンの歌。



最初はその意味がわからないのですが、映画を最後まで観ると、その音楽が何を訴えていたのかが見えてきます。


そして彼らは国連に乱入し、「人殺し!」と絶叫する。


ここが、この映画のクライマックスです。


ナレーションで「これはこういう意味です」と説明されないからこそ、歴史を知っているほど、その叫びの重さが胸に突き刺さります。


難解ですが、だからこそ、観終わったあとに歴史と音楽が一本につながってくる。まさに「音楽による歴史ドキュメンタリー」と呼びたくなる作品でした。


叛乱のサウンドトラック(KINENOTE)



How to Deadlift: 5 Simple Steps



導入部!【月刊丸屋町山 シーズン2_30】アフリカは世界の奴隷か? 『叛逆のサウンドトラック』に学ぶ戦後欧米帝国主義と音楽外交と原爆と


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